ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
夜間飛行
事件は大入りの劇場で起こる。人々が舞台に見入っているすきに観客席の暗がりで演じられた凶行。こんな所で人を殺すなんて犯人は切羽詰まっていたのか、それとも別の理由があるのか? クイーンの小説の読者は観客というより探偵の立場に立たされ、いつのまにか推理ゲームのプレイヤーになっている。そういうわけで私も捜査に参加しているような気にさせられ、クイーン父子を初めとする捜査陣のチームプレイに心を躍らせていた。行方知れずの帽子が鍵となることは題名からも判るが、これは私のようなヘボ探偵への作者の温かい配慮なのかも知れない。
2019/01/08
優希
エラリー・クイーンデビュー作であり、国名シリーズの第1作。1作目ということで物語の荒削りさは感じますが、それを差し引いても面白かったです。ローマ劇場での毒殺事件と消えたシルクハットの謎。然程重要に思えない謎でも、後から意味を帯びてくる伏線が見事です。謎と動機の結び付けと解決への導き方、そして些細なことでも後々大きな問題になってくる流れなど、やはり後に巨匠と言われるだけあって上手くまとめているなという印象でした。エラリー・クイーンにじわじわとハマっているので、今後も色々読んでみたいと思います。
2016/08/15
🐾Yoko Omoto🐾
新訳にて再読。エラリークイーンの記念すべきデビュー作であり、国名シリーズ第一弾。「犯行現場から何故帽子は消えたのか?」の一点を軸に、あらゆる角度から論理的検証が進められ紆余曲折の末真相に到達するフーダニットの秀作。クイーンが最も得意とする美しいまでのロジック(作中のエラリーの言葉を借りれば「演繹法」と呼ぶ)は何度読んでも感嘆の溜め息。法月氏が踏襲していることでも知られる、警視正の父と自身の名を冠した作家兼探偵の息子エラリーとのやり取りはストーリーに暖かみを添えており非常に親しみやすいシリーズとなっている。
2013/11/05
chiru
『読者への招待状』のある古典ミステリー。悪徳弁護士が殺され、シルクハットだけが消失した謎を追う。わたしは古典ミステリーの文章に対して読解力がなくて、捜査する前半は苦労しました。でも、クィーン親子のやりとりが微笑ましく、後半、論理的解釈で犯人を解明するラストは、とても楽しめました。★2
2018/01/08
Kiyoshi Utsugi
エラリー・クイーンは、推理小説界の藤子不二雄で、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのコンビのペンネーム。 登場する探偵もエラリー・クイーン。 イタリアのローマが舞台かと思ったら、全然違って、ニューヨークにあるローマ劇場が舞台でした。😅 ニューヨーク市警の警視であるリチャード・クイーンと息子のエラリー・クイーンが謎を解き明かすというもの。殺人現場から帽子が消えてしまっているというのが、キーでした。 面白かったので、電車で移動中に何とか読み終えることが出来ました。😀
2021/06/26
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