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エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

作家
エラリー・クイーン
中村有希
出版社
東京創元社
発売日
2018-07-20
ISBN
9784488104429
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エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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W-G

昔、『クイーン検察局』があまりに非道く、短編に見切りをつけた。『神の灯』等の傑作があることは認識していたので、新訳が出たこのタイミングでチャレンジ。結論、非常に楽しめた。もっと味気ないクイズ集みたいなものを想像していたが、流石にクイーン、ちゃんと小説として仕上がっている。それぞれ、発端の不可解性があり、なんだったら長編以上に奇妙な事件ばかり。どこかシャーロック・ホームズの作品群に通ずるテイスト。『双頭の犬の冒険』と『七匹の黒猫の黒猫』が特に好き。『ひげのある女の冒険』も、着想は面白いが、結末がちょっと…。

2021/04/11

Kircheis

★★★★☆ 長編のイメージが強いクイーンだが、短編集も面白かった。 11編の作品は特にズバ抜けて面白いものこそなかったが、逆にハズレもなく全てが高水準だった。いずれもエラリーの論理的な説明が楽しめる。 序盤は割と容易く真相が推測できるものばかりだったが、中盤以降は一緒に推理するのが難しくなった。 エラリーがかなり女好きになっていることから時系列的には中期以降であるだろう。多分3、4人は事件後に手出してると思う笑 個人的に1番好みだったのは雰囲気がホラーぽい『双頭の犬の冒険』。

2021/01/07

Tetchy

旧訳版未収録の「いかれたお茶会の冒険」と序文が収録された完全版。その「いかれた~」はキャロルのアリス尽くしのガジェットに満ちており、派手さはないが作者の見立て趣味とまた犯人を特定するためには罠をも仕掛ける趣向などが盛り込まれ、ロジックのみならずトリックも愉しめる。しかし比較のために9年前の旧訳版の感想を繙くとこの短編が収録されていない怒りと、完全版の出版への切望が謳われており、まさに本願成就の感あり。しかも当時も海外赴任…。信ずれば願いは通ず。9年は長かったとは思わない。いつまでも待つぞ、望みが叶うなら。

2019/05/26

紅はこべ

エラリーの瞳の色が銀色って初めて知った。髪ならともかく目の色が銀色ってあり得る?「七匹の黒猫」の犯人の名前が偶然にも某ファンタジーの主人公と同じなのは笑った。「一ペニー黒切手」、『チャイナ橙』でも切手が扱われたので、クイーンは切手が好きなのかな。「ひげのある女」、ユニークなダイイングメッセージ。「アフリカ旅商人」、いわゆる多重解決系。「双頭の犬」、警察が到着する前に遺体を動かしちゃダメでしょ、エラリー。「ガラスの丸天井付き時計」が割とお気に入り。エラリーって結構惚れっぽいのね。

2019/06/20

セウテス

【エラリー・クイーン短編集】〔再読〕再読回数の多い作品の一つだが、中村有希氏の翻訳は素敵だ。11作品の短編全て、若きエラリーの魅力に溢れている。論理的な推理とはこう言う事だと、ミステリを楽しむ素晴らしさを満喫出来るだろう。クイーン氏の作品をこれから読もうという読者には、国名シリーズよりも本作が入口になれば良いと思う。旧訳では未収録であった「いかれたお茶会の冒険」が、翻訳されている事はたいへん有り難い。様々な解釈を立て選び抜き、犯人を特定する為には罠まで仕掛ける、ミステリの洗練された技法を純粋に味わえる。

2020/09/15

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