奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫)
奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
Kircheis
★★★☆☆ ブラウン神父で有名なチェスタトンの初期短編集。 変てこりんな商売をして生計を立てている人達のクラブにまつわる話で、100年以上前の作品にもかかわらず斬新だった。 序盤はかなりおもしろいのだが、だんだん弱いストーリーになってくるのが少し残念(特にチャド教授の話)。 でも、新訳は読みやすいと感じたし、これを期にチェスタトン作品制覇したいな。
2019/06/22
ゆのん
6つの話から成る連作短編集。『奇商クラブ』とは今まで誰も行わなかった新しい職業で生計を立てている人の結社。『え?』と言ってしまう程の奇抜な職業が沢山出てくる。主人公の元判事、奇人変人のバジルが最高。古き良きイギリス。辻馬車が走る時代のイギリスの話が本当に好き。211
2019/07/04
りつこ
チェスタトンをそれほどたくさん読んだことがあるわけではないので、この作風とテンション(の低さ)に戸惑ったが、読み進めるうちになんとなくパターンが読めてきてゆったりと楽しんだ。小学生の頃にイギリスユーモア選みたいな本を読んで、どこが面白いのかさっぱりわからなかったのだが、それに通じるユーモアを感じる。わはは!じゃなく、ニヤリ。ブラウン神父のシリーズも少しずつ読んでいきたい。
2019/03/18
星落秋風五丈原
本編の主人公バジル・グラントは法律を扱う勅撰法曹家として筆舌に尽くせぬほど才気煥発な、恐るべき人物だったが、法廷で罪を犯した者に刑を科すのではなく「療養した方がいい」と言ったり、判決文を読む代わりに歌を歌い始めたりするなど奇矯な行動をした後引退する。彼の弟ルーパートは数々のとらばーゆを経て私立探偵。バジルの友人スウィンバーンが語り手役を担う。可能な限り多くの結社に入ることを道楽にしており、今まで入った結社には「死人の靴ソサエティ」「赤いチューリップ同盟」など訳の分からないものもある。
2018/12/21
Shun
初読みのチェスタトン。元法曹家のバジル・グラントと彼の弟や友人たちが出くわす不可思議な事件や出来事の裏には一風変わった商売で生計を立てる「奇商クラブ」なる組織の存在が仄めかされ、最後にその実態が明らかとなります。前例のない商いを行う者のみが入会を許され、そのメンバーが仕掛ける商いを目の当たりにするともはやミステリでしかない。そこに需要があればどんな手法でも商売的価値を見出し取引が成立すれば対価を得る、例えそれが奇妙に過ぎても。流石はケインズを始め経済学発展の土壌を持つイギリスが生んだ文学だと思えました。
2020/08/10
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