仮面劇場の殺人 (創元推理文庫 M カ 1-33)
仮面劇場の殺人 (創元推理文庫 M カ 1-33) / 感想・レビュー
カーゾン
M:初読。晩年のフェル博士もの3作の中で選ぶなら、1位差し上げても良いかとは思うがいかんせん冗長。殺人1件と未遂1件しかないのに、ヒーローと実は離婚してなかった妻とのよりを戻すエピソードが続いて450頁超えは長いよ。トリックは別の短編であったものを焼き直しとは言え、工夫しているからそこは許容します。それにしても(お約束なんだろうが)3作とも出てくる人物どいつもこいつも他人の話の腰を折ってばかりで、営業部員なぞ絶対出来ないよな、こいつら。
2024/07/03
Tetchy
カーネギー・ホールなどに代表される欧米の劇場が舞台ということでボックス席がどういう物かを漠然としか想像できなく、登場人物の行動の推移が何が何やら十全に理解できなかった。しかしそれを措いても460ページ強を要して殺人事件が1つ、しかもネタ的には短編小説並みのものでしかないというのが結構辛かった。最後のトリックも牽引力に乏しかったし。回り道の多い作品だった。
2009/08/04
ホームズ
前半はそれなりに楽しめましたが後半になると若干残念でしたね~。この長さで殺人が1件って言うのは少しきついですね~。ちょっと登場人物たちに感情移入できなかったので全体として楽しめなかった。
2010/03/03
elf51@禅-NEKOMETAL
入手やや困難本。1966年とフェル博士物の晩期の作品である。古典推理を読んでいると劇場を舞台にした作品によく会う。劇場で観劇するというのが昔の娯楽の主にあったということだろう。数十年前の劇団が同じ名前の「仮面劇場」で復活する。後援者は当時の女優。ボックスシートという制限のある中での殺人。奇妙な凶器。解答は昔のいきさつも絡んだ複雑な男女なのだが。犯人は意外だが,どうも長すぎる。長い割にはあまり盛り上がらずに終わる。まぁ,フェル博士のファンならば読みますかねぇ,というところだ。
2020/07/12
ktkt
かつて旗揚げ公演前日に主演俳優が病死して離散した”仮面劇場”の座付き劇団を、当時の女優がスポンサーとなって四十年ぶりに再結成しようとするもやはり前日のリハで...というフェル博士最後から2作目。無駄に長い!警部補に魅力がない!クソ!と思ったけど解説を読んで少し考えが変わりました。曰く、カーの作家としての老い・晩年の境地に思いを馳せつつ読まれたしということで、そう考えると本筋には関係ない歴史講釈や大学の歌も歴史もの書いてたしね~と素直に消化することができました。面白くはなかったけど読んでよかったです。
2024/11/17
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