KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

作家
ジョン・ディクスン・カー
駒月雅子
出版社
東京創元社
発売日
2012-05-20
ISBN
9784488118327
amazonで購入する

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

W-G

クリスティが脱帽というだけあって、クリスティ好みなミスリードがふんだんに使われている。そして、今読むと、犯人指摘に至るロジックがとても新本格っぽいと気づいた。今こそ評価が一層高まるべき作品。訳の読みやすさもカー作品屈指で、頁数も少なめ。カー作品の中でもオススメしやすい一冊となっている。トビイのキャラもえらく現代的な幼稚さがあって、そういうところ含めて本当に"今"にジャストフィットしている古典だと思う。所謂"カーらしさ"というものはあまり感じられないが、恋愛面だけはまさにカーの王道ど真ん中。

2017/05/04

Kircheis

★★★★★ カーの代表作の1つだが、ストレートな本格物でカー独特のおどろおどろしい雰囲気はあまりない。 割と短めで、探偵役はこの作品のみの登場となるキンロス博士である。ヒロインのイヴは相当魅力的なんだろうが、その優柔不断さには少しイライラさせられた(笑) フェア過ぎて犯人はすぐに分かってしまうレベル。しかし展開が面白いのでグイグイ読めてしまう。古典だが、今読んでも超面白い。 アトウッドももちろんクズだが、個人的にはトビイの方が真のクズ男だと思う。

2020/04/16

夜間飛行

三読めなのに忘れている。寝室に入ってきた前夫を追い出そうとしたイヴは、彼と相次いで窓から隣家の犯罪現場を目撃する。立ち去る何者かの手、頭を割られた老人、血飛沫とバラ色の破片…。このシーンが提示された後、そこに様々な疑惑が絡んでくる。イヴに同情的なローズ家の人々や冷淡なメイドの本心がわからないし、当のイヴの心もすっきりしない。これらの心理的なもやもやの中に隠された真相を、心理学者キンロスが解明していく。作中人物の言動が少々まだるっこく思われるけれど、トリックは極めてシンプルで齟齬はない。やはり傑作だと思う。

2019/01/24

とよキチ

ジョン・ディクスン・カー初読み。前々から数多あるミステリー評価サイトで見て、気になってました。書店で帯を目にした瞬間レジへ。(この買い方は危険というご意見も…)『すごい!』の一言です。新訳版な為か、翻訳もの特有の読み辛さも感じず、のめりこみました。シンプルにして華麗、すべてが収まるべきところに収まるところは、美しさすら感じました。古典的傑作と称されるのも納得です。初心者の私が言うのもおこがましいですが、オススメしたい1冊です。

2012/11/21

🐾Yoko Omoto🐾

再読。巧妙さと大胆さが絶妙なバランスの秀逸な作品。心理的な盲点を巧く突いた「暗示」トリックは作中人物だけでなく、読者をも術中に嵌めてしまう。かといって決してアンフェアではなく、伏線や犯人を示唆する記述は相当フェアだと言える。また、特に繊細な描写ではないにも関わらず、頭に情景が浮かびやすく臨場感があるとても読みやすい作品。ラストシーンのゴロン署長が印象に残った(笑)傑作の中の一作。

2013/07/15

感想・レビューをもっと見る