第二の銃声 (創元推理) (創元推理文庫)
第二の銃声 (創元推理) (創元推理文庫) / 感想・レビュー
Kircheis
★★★★☆ 1人の嫌われ者が銃で撃たれ、その犯人の第一候補となったピンカートンの書いた草稿の形で物語は進行する。 探偵役のシェリンガムが事件の真相を探るのだが、ラストシーンではまるでミステリーに対するアンチテーゼのような結末にビックリさせられ…なかった。 当時とすればかなりの実験作だと思うが、現代ではこの程度のどんでん返しは普通に予測可能だろう。 ただしピンカートンの少しイライラさせられるキャラ設定は本当にうまい。ヒロインのアーモレルも魅力的で、読後感が良いとは言えないもののこれもありだと思わされた。
2022/06/05
Panzer Leader
探偵小説家の豪邸で開かれた推理劇。その被害者役の人物が死体となって発見された。事件の状況から犯人と疑われたピンカートンが探偵シュリンガムに助けを求める。このピンカートンが書いた草稿という形で物語が進んでいく...これは何を書いてもネタバレになりそうなんで面白い・上手い・やられたーとだけ書いておこう。
2019/02/25
ゆか
設定はちょっとややこしい。劇場ではなく、実際の屋敷とその周りで殺人事件を演じ、それを解決する為に招待客まで呼びつけ、それぞれ犯人役や殺され役などを演じるが、演じてる途中で殺される役だった人物が本当に殺されてしまう…といったところが大体のストーリー。探偵は登場するけど、いわゆる探偵小説ではないところが好き。最初にいきなり探偵や警察以外の登場人物がほぼ全員登場するので、誰が誰だかこんがるのは海外小説あるあるですね。
2018/12/21
geshi
語り手ピンカートンの置き所が実にうまい。「外側」にいる人間として、推理劇の中に悪意を持って差し込まれる本物の動機が放つ不穏を見る視点の役割。殺人の最有力容疑者として警察と関係者に扱われ追い込まれる心理サスペンスの役割。過度な謹厳実直さで恋愛に関わると道化となるユーモアの役割。3つの役割を果たしストーリーの推進力となっている。かの傑作のフォロワーだから仕掛けは読めてしまうが、多重推理で真実の危うさを・エピローグで探偵の存在意義を揺るがすバークリーらしい探偵小説への楽しき挑戦。
2015/11/15
Small World
バークリーは『毒入りチョコレート事件』からの2冊目ですが、動機を持った人物ばかりの殺人事件なんて、この作為的な設定だけでワクワクしてしまいましたw。『毒入り~』から読むと、探偵役のシェリンガムが今一つ信用できなかったのですが、どうしてどうして、けっこうやるなぁ~っと思っていたら....みたいな結末も面白かったですね。バークリーはプロットに捻りがあってユニークそのもの、次に読む予定の『ジャンピング・ジェニー』も楽しみです。
2020/03/06
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