血の収穫 (創元推理文庫 130-1)
血の収穫 (創元推理文庫 130-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ダシール・ハメットのデビュー作。ガーディアンの必読1000冊にはハメットの作品が4作も入っている。私にとっては、これがその最後の作品。そして、その結果はというと、見事に4戦4敗に終わった。本作は、解説によればアンドレ・ジッドも激賞しているということなので、今度こそはと期待したのだが、どうやら私にはハードボイルドは敷居が高いようだ。これがヘミングウェイに匹敵するものだとはどうしても思えない。作中に複数描かれる殺人にしても、心情的には納得がいかない。銃弾が飛び交う上に、訳文にも品位が感じられないのである。
2018/07/22
遥かなる想い
ハードボイルドの古典的名作である。 1929年に発表された本作は いかにも ハードボイルドで 「おれ」の語りで 物語は進む。古いギャング映画を 見ているような印象だが、抑え気味の 筆致と 簡潔な会話が心地良い。 文体が乾きすぎて、ミステリーの醍醐味が ほとんど感じられなかったのが 少し残念。
2022/08/04
NAO
電子書籍で読了。ハードボイルドの創始者と言われるハメットの処女作。私利私欲にかられた町の実力者が町にもたらした毒が町を暴力と血にまみれた最悪な場所に変えてしまったという設定のもと、町で繰り広げられる権力闘争。殺伐とした町の風景に見合った凄惨な場面が多いが、ドライな文章のためか、それほど陰湿な印象は受けない。
2018/08/06
ペグ
ダシール ハメットのデヴュー作。全編、血まみれの小説なのに、乾いた文体のせいか読後、全然暗い印象がありません。ある老人の台詞「ねたみばかりでなく、生意気で気ままで疑り深うて、よくばりでけちで無遠慮で嘘つきで自分勝手で、手のつけられない悪性者じゃ」って‼︎よくこんな罵詈雑言が出るものです^o^なんでもお金に換算する女性も出てきて、思わず笑ってしまいました。ハードボイルドの傑作でした(^_^)v
2017/02/09
つねじろう
バードボイルドの古典。よってパイオニアであるが故に誤解を受けた作品でもあったりする。何故ならバードボイルドのカテゴリー上一番血が流れてる作品だから。多分ハメットとしては彼のその後の作品を観ても分かるように結果そうなっただけで必要条件でないと言いたかったに違いない。その事に対してこの名前を名のらない主人公は徹底してクールに 狡賢く実行して行く。何故ならそうでもしないとこの街のクソな状態を抜け出せないから。その血を血で洗う状況を途中自分を疑いながらも遂行して行くその姿がまさしくバードボイルド。
2017/10/15
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