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大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)

大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)

大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)

作家
レイモンド・チャンドラー
双葉 十三郎
出版社
東京創元社
発売日
1959-08-01
ISBN
9784488131012
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大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

フィリップ・マーロウの第1作。チャンドラーのデビュー作でもあるようだ。これぞハード・ボイルドとされているが、エンディングなどは、まさにその真骨頂だ。たしかにマーロウはカッコイイ。「武士は食はねど高楊枝」を地で行く。でも、逆に言えば、男のカッコよさとは、やせ我慢の別名であるかのようでもあるのだが。キスはするが、据え膳は食わない。次々とゴージャスで美しい女が現れる。マーロウの周りはいつも危険がいっぱいだ。彼を慰めてくれるのは酒あるのみ。男は我慢だ。アメリカン・ヒーローはつらい。「銀鬘」の女に未練を残しながら。

2015/11/02

鱒子

富豪の老将軍に依頼され、無軌道なご令嬢のトラブル解決に乗り出した探偵 フィリップ マーロウ——チャンドラーの初長編、ハードボイルドの金字塔的古典。素直に誉めたくないんだけど、マーロウはやっぱりかっこいいです。

2022/05/24

まつうら

何年かぶりに手に取ったマーロウ初登場作品。改めて感じるのは、後年の作品にみられるマーロウの人物造形がすべてこの出世作に詰まっていること。タフでスマートを気取っているが、実はなかなか人情に厚い。登場人物たちも、悪いやつほどスマートで、タフぶってるやつほどマーロウにしてやられる。雨の中でマーロウに撃たれるキャニノ君はその典型だ。ただ、昭和30年ごろの翻訳なので、さすがに言葉が古い。ときおりマーロウが「うふう」という声を発するが、いまなら「アーハン」と表現するところか? 村上訳の本作もチェックしようと思う。

2023/04/18

goro@80.7

チャンドラーの処女作。60年も前の訳なので味もあり過ぎるが、当時の雰囲気を堪能出来ると思えばこれはこれで良いのかもしれない。マーロウは誰も信じちゃいけない。そして誰もがマーロウに見透かされてるような感じを受けるんだろうなぁ。雨よりも冷たいくちびるだなんて言えないわなぁ。そのシーンを読んでこんな表現がチャンドラーなのかと思った。

2019/08/03

くたくた

チャンドラー長編第一作。一作目にしてこれ!富豪の老将軍の依頼は娘の一人に関わる恐喝事件。しかし、本当に老人の心を捉えていたのは、もう一人の娘の婿の消息だった。マーロウが恐喝事件を探ると、意図しない殺人が起こっていき。。。依頼されたわけではない娘婿を探すとも無く探すうちに、見えてくる一人ひとりの情と思惑。これだけワルが沢山いて、しかも嫌なやつがいない。真相は小さく空しく、解決策はない。ただ「大いなる眠り」を強く、優しい探偵が見つめる。雨とスモッグを重く含んだ冷たく汚い濃霧に包まれるような、濃厚な読後感。

2018/07/13

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