赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)
赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1) / 感想・レビュー
keiniku
チャンドラーの短編集。主人公がフィリップ・マーロウのものも、それ以外のものもあるが、基本的には名前が違えど、皆、私立探偵で、つまり、マーロウ。 短編は事件のあらましの入り組んだところが、言葉での説明になりがちで長編の醍醐味にはかなわないところが多い。反面、中身が詰めてあるだけに、長編でよくある粋な言い回しがかえってわかりにくくなっている部分がないという良さもある。「金魚」が内容が充実していて面白い。
2017/01/28
bapaksejahtera
「脅迫者は射たない」「赤い風」「金魚」「山には犯罪なし」の中短編4つからなる。マーロウ探偵が主人公なのは「赤い風」だけで、自宅アパート近くの酒場で起きた殺人事件を切掛として豪華な真珠をあしらった宝飾品探しをするうち殺人事件が起こる。この作品が一番すんなりと展開する。チャンドラーは短編を膨らませて長編を構築し直すことが多いようだが、それだけでなく幾つかの小さなエピソードを他の作品でも用いることもあるようだ。推理小説の黎明期らしい。冒頭作者の小説論があり、これは大いに読ませる。
2020/12/08
草食ライオン
チャンドラーが生んだ名探偵フィリップ・マーロウも一部出演する中編4作。また「簡単な殺人法」の序文(実は、これがおすすめ。チャンドラーの何と聡明なことか!)も収録されている。私が読んだものは、白山宣之氏による手書きカバー。渋い。渋すぎる! 作品としては私は、クライマックスの盛り上がりが楽しい「金魚」がお気に入り。 当時のアメリカは、こんな生活を送る探偵達がいたのかもしれない、と感じさせるリアリティはさすが。 銃撃シーンでの、撃たれた者たちの描写は、言葉選びのハイセンスさから目が離せません。
2018/02/05
Tetchy
プロットが脆弱すぎて話の内容を忘れてしまう。だが「金魚」は面白かった。
2008/12/09
しま
ハードボイルドなサスペンス短編集。とにかくやるか殺られるか、銃の扱い方が痺れる!フィリップ・マーロウの映画も見たくなった。
2024/06/25
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