雨の殺人者 チャンドラー短編全集 (4) 創元推理文庫 (131‐6) (創元推理文庫 131-6 チャンドラー短編全集 4)
雨の殺人者 チャンドラー短編全集 (4) 創元推理文庫 (131‐6) (創元推理文庫 131-6 チャンドラー短編全集 4)
- 作家
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 1970-09-01
- ISBN
- 9784488131067
雨の殺人者 チャンドラー短編全集 (4) 創元推理文庫 (131‐6) (創元推理文庫 131-6 チャンドラー短編全集 4) / 感想・レビュー
ケイ
短編五つ。マーロウが出てくる話が圧倒的にいい。好きな女には徹底的に純情なチンピラ男たち。彼らの気持ちに同調して心を痛めるマーロウだから、男が惚れる。『女で試せ』珍しく女にも優しい視線があると思ったら、きっと彼女の度胸が大したもんだからだ。スカラが最期に気付いていたらいいな。『カーテン』…もしも折があったら、この薔薇をモナにやってくれ。その言葉に、マーロウは薔薇を一輪、女に渡しに行くために動く。『雨の殺人者』お金と麻薬と男にだらしない若い女は厄介のもと。『ヌーン街で拾ったもの』と『青銅の扉』は楽しめなかった
2019/07/26
bapaksejahtera
雨の殺人者/女で試せ/カーテン/青銅の扉/ヌーン街で拾ったもの、いずれもWW2以前発表の中短編5作。「ヌーン街・・」は主人公は麻薬捜査官と珍しく、「青銅の扉」は幻想小説的趣きがある。また「女で試せ」は、後年の「さらば愛しきものよ」の冒頭と同一設定で、出所したばかりの巨漢が暴れ回る。いずれも興味深い作品。さらに「評伝」とするにはかなり短い稲葉氏の「マーロウ誕生の前夜」もチャンドラーを米国文学にしかるべく位置づけている。更にチャンドラー作品の女性は皆猫の如く描かれ、恋愛の入り込む余地がないとの指摘も納得する。
2020/12/20
Tetchy
表題作はほとんど『大いなる眠り』を読んでいるよう。でも「青銅の扉」は良かった。特にラストが。
2008/12/10
Yuki
これでシリーズは終わり。注目すべきは「さらば愛しい人」の元となった短編だろう。これをシリーズ最終巻の最後に収録するセンスが良いなぁ。前作同様、中には人の出れない扉があったりファンタジー色が濃いのもあるが、これも完全犯罪を揶揄したチャンドラーの名作の一つであるといえる。
2014/01/17
萩原 一嘉@次走未定
この本の最終話「女で試せ」のプロットが「さらば、愛しい女」に展開されているのは周知と思いますが、改めて読んでみると細部の違いがその後のストーリー展開に影響しているのがわかります。 チャンドラーの特徴の「細かすぎて(または大袈裟すぎて)鬱陶しくなる状況描写」は短編の方が強調される感じです。翻訳される方も大変だろうなぁ。
2017/11/18
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