細工は流々 (創元推理文庫 M フ 13-3)
細工は流々 (創元推理文庫 M フ 13-3) / 感想・レビュー
雪紫
時折殺したいくらいのお人好しだった彼女は何故お金を借りた翌日に殺されたか? そして現場の屋敷にあるマッチ箱や吹き矢などの仕掛けとの関連やいかに? 首尾は上々、細工はいかに? トラップ屋敷に似つかわしくない(?)おとぼけムードだから第2の殺人のギャップが凄い。因縁があるらしきヴァナー警部との掛け合いが良いスパイスで・・・。でも犯人を示す手掛かりが「そこ」にあったことに心底たまげたわ!
2021/02/08
geshi
殺人事件が起こった屋敷で推理小説のトリックを試した仕掛けが次々と見つかり、その関係は?という所に一番の旨味があるはずなのに、そこに焦点を当てず関係者たちの隠していることを明かしていく流れで、期待していた稚気やミステリーマニアっぽさが見られない。わざわざ言い訳を用意してまで屋敷に乗り込んでおいて事件解決に積極的に動かずダラダラしている印象で、話が淡々と進んでいるように目に映る。惜しい所までいくトビーとぬけぬけとしたジョージの可笑しみは別として、いまいち持ち上がりも面白さも欠ける。
2024/01/30
UPMR
シリーズ2作目。友人が殺されて今回はややシリアス気味なトビーと平常運転なジョージの探偵コンビのコントラストが印象的。前作同様とらえどころのない事件で、屋敷に仕掛けられた殺人トリックやそれぞれの思惑を抱えた癖のある容疑者達と、様々な要素が事件にベールを掛け、その本質が見えにくくなっているといった感じだ。そのベールを一枚ずつ取り払っていくような解決は非常に鮮やかで、とりわけジョージのぬけぬけした態度がにくい。中盤で彼の身に起こる出来事が重要な意味を持っているのだが、その真相にはいい意味で唖然としてしまった。
2018/04/04
Gen Kato
『猿』と『自殺』は犯人の見当がついたけどこれはまったく予想外。登場人物たちの曲者っぷりが相変わらずいいです。
2017/10/01
nightowl
偶々ページを繰っていたら、六月(P.9)の話と知り読了。ブラックユーモア、トリック大盤振る舞いなど何かあったのだろうかという位色々とあらぬ方向へ吹っ切れている作品(そこがこの作品の魅力でもある)。真相を説明した後はさっさと話を終わらせる所も好感。被害者の薄幸という訳でもないのに、矢鱈不運に襲われやすい人物像は毒舌なことで知られる若竹七海作品に登場しそう。ところで、翻訳ミステリに"ハナスッキリ"という言葉を登場 させた訳者のセンスに参る。
2015/06/25
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