KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

暗い鏡の中に (創元推理文庫)

暗い鏡の中に (創元推理文庫)

暗い鏡の中に (創元推理文庫)

作家
ヘレン・マクロイ
駒月雅子
出版社
東京創元社
発売日
2011-06-22
ISBN
9784488168070
amazonで購入する

暗い鏡の中に (創元推理文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Kircheis

★★★☆☆ ウィリングシリーズ第8作目。 本格と幻想が高い完成度でミックスされていると名高い本作だが、ウィリングの推理がやや強引で根拠に乏しい点、その犯罪計画ではフォスティーナが死なない確率も高かった点、動機がやや弱い点等から、本格推理としてはあまり評価できないように感じる。 反面、幻想ミステリとしては、ドッペルゲンガーという題材の不思議さ、ゴシックな雰囲気、真相に謎を残したままの結末など、なかなか完成度が高いと思う。 似た趣向だったカーの『火刑法廷』に比べると、ホラー度が低めに感じ、やや劣る印象。

2022/04/27

セウテス

【ウィリング博士】シリーズ第8弾。女学院教師フォスティーナは、突然校長より解雇 を言い渡される。数人が同じ時刻異なった場所で、別々の彼女を目撃していたのだ。失意の彼女が、ニューヨークのホテルにたどり着いた丁度その頃、女学院では1人の女性教師がフォスティーナに殺害されるという事件が起こる。幻想と怪奇、ミステリの一角として心踊る設定であり、さすがマクロイ氏とても上品に感じる。謎解きはちょっとした事から解答に落つくのだが、殺人のトリックは不満である。私には中途半端な終わりと感じるのだが、余韻を残したとも言える。

2022/04/17

星落秋風五丈原

ある意味「あなたは誰?」と同じテーマを扱っているミステリ。自分のドッペルゲンガーに悩まされた女性の死に陰謀の影を感じるウィリング博士。どさくさにまぎれてギゼラにプロポーズ!やるなぁ。恋人と別れるのをいやがったりして単なる捜査官ではない恋する男としてのウィリングが見られる貴重な作品。

2015/10/17

藤月はな(灯れ松明の火)

女子寄宿学校を包む異様な空気、ドッペルゲンガー、思春期の少女たちの言動に惑わされながらその倦怠的で眩惑的な空気に無我夢中になって読み進めました。法廷では裁けない明かされた惨い真相に唯々、振り回されたフォスティーナが不憫だと思わずにはいられませんT-T

2011/12/21

こばまり

面白かったです。65年前の作品なのでトリックに物足りなさを感じるミステリファンも居られるかもしれませんが、妬みや怖れ、好奇心等、人の心の移ろいは今も昔も変わりなく、かつ興味が尽きないものだと感嘆。マクロイは美術評論家でもあった由。女性、ファッション、調度品、香り、恋人同士で過ごすひととき等、様々な描写が繊細で美しいです。全体を包む幻想的な雰囲気にも魅了されました。

2015/05/17

感想・レビューをもっと見る