小鬼の市 (創元推理文庫)
小鬼の市 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
セウテス
【ウィリング博士】シリーズ第6弾。第2次世界大戦下の島国サンタ・テレサを舞台に、異国の男スタークが記者変死事件の謎を追う物語。謎だらけの主人公、変死した記者の暗号化されたアドレス、残されたメモにある小鬼の市とは何か、緊張感の続く展開は読む手を速くする。しかしシリーズを読んで来た読者には、本格ミステリからサスペンスへの変更は驚きである。終盤、論理的な犯人の特定でシリーズらしさを感じる事が出来たが、作品の大きな仕掛けはバレバレである。シリーズ外伝などにして、読ませ方を工夫すれば衝撃がかなり増したのではないか。
2020/03/04
みっぴー
これはちょっと合わなかったです。したがって、あまりおすすめはできません。ヘレン・マクロイの持ち味が少しも出ていなくて、退屈と言っていいほど興味が持てない作品でした。タイトルの小鬼の市(ゴブリンマーケット)は、路地で死亡した記者の残したフレーズで、実在の童話からの引用みたいです。なんというか、私がマクロイに期待するのは、こういうのじゃないんだよぅ…と思ってたら、同じように感じてらっしゃるレビューばかりで安心しました。次に期待。
2017/02/21
星落秋風五丈原
ウィリング博士どこ?と思ったら…解説にも書いてありましたが本当にヒッチコックの巻き込まれ形サスペンスみたい。絶対怪しいって思ってました。ウィリング博士の心理分析を活用する場面はなかったな。
2017/01/06
ホームズ
第二次世界大戦中の島国を舞台にしていて少し今までの作品とは雰囲気が違う感じがした。殺害された前任者や暗号など面白い謎が良かった(笑)しかし正直な所は戦争とかスパイとかあまりそういった感じの話は微妙。もっと犯罪の動機は個人的な感じの方が好きかな~。2大探偵共演というのはネタバレでは?(笑)
2013/03/20
本木英朗
アメリカの女流本格ミステリ作家のひとりであるヘレン・マクロイの中でも、ウリサール警部とウィリング博士、二大探偵が共演する異色の快作!と言えば、この作品である。カリブ海の島国で、オクシデンタル通信社の記者として働くことになったスターク。前任者の死を巡る不審な状況を調べた彼は、死者が残した手がかりを追いかけるうち、さらなる死体と遭遇する――という話だ。なるほど、そうだったのか! ぜんぜん分からなかったよ、俺は。別にいいけれどねえ。警部と博士の名推理が見ものです。またいつか読みたいなあ。
2021/03/13
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