ディナーで殺人を 上 (創元推理文庫 M ン 5-1)
ディナーで殺人を 上 (創元推理文庫 M ン 5-1) / 感想・レビュー
くさてる
食に関するミステリを集めたアンソロジー。どれも美食や変わったメニュー、或いはわびしい食事などがテーマに関わっていて、食に関する書物が好きなひとにはお勧めです。この手の内容では絶対外せない、エリン「特別料理」、皮肉な結末が印象的な、レンデル「賄賂と堕落」、あまりに衝撃的でグロテスクな内容が忘れられないルルー「胸像たちの晩餐」、エレガントな幽霊譚としても楽しめるディーハン「主婦の鑑」、空腹を抱えた若者が決めた取引の内容は…というベサントとライス「ルークラフト氏の事件」などが特に面白かったです。
2015/07/21
更紗姫
おなかが空いた時、『最高傑作』を読み直す。料理を描写するのに、出来上がりの色・形や「美味い!」ではなく、作られる過程を細かに説明する事で、読者(と容疑者)を足止めするなんて。私はグルメではないけど、仔牛肉や生クリーム、バター、卵黄でつくるソースの味を、空想出来る程度には知っている。だが「さっとゆでてざるで裏ごしした柔らかいレタス1個」「25匹のザリガニ」の味は見当もつかない。だから傍観者でいいの。名人(メートル)たるシェフは、その料理を全身でむさぼり食べてくれるグルメ(大食漢)を必要としている。
熊猫
【食】にまつわるアンソロジー。 ガストン・ルルーの『胸像たちの晩餐』の怖さたるや! 下巻に続く。
2014/04/18
vertigo
やっぱハイスミスとかPDジェイムズとか「性格悪い系」が好きだ…
2013/08/04
光雲
タイトル通り食にまつわるミステリアンソロジー。面白い、自分好みなのが多かった。かの有名な「特別料理」→いや~な雰囲気で結末を暗示させる。レンデル「堕落と賄賂」→好きです!色々穴はあるけど短編も研ぎ澄まされている。ルルー「胸像たちの晩餐」→1番ホラーだった。PDジェイムズ「いともありふれた殺人」→殺人を目撃した男。読み返すと犯行後の伏線もしっかり張ってあった、最後の最後まで気が抜けない!ハイスミス「しっぺがえし」→夫婦が疑心暗鬼になる小気味いいラスト。「ルークラフト氏の事件」→ハラハラさせられたー。
2017/02/15
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