十の罪業 RED (創元推理文庫)
十の罪業 RED (創元推理文庫) / 感想・レビュー
くさてる
中編ミステリのアンソロジー。不運な天才犯罪者ドートマンダー、殺し屋ケラーと言ったおなじみの面々の作品は面白かった。87分署ものは読んだことが無かったけど、ほかのものも読みたくなった。マクラム「復活」もすごみのある傑作でした。
2018/10/31
Ribes triste
再読。手にとったのは、大好きなエド・マクベインの87分署シリーズの遺作が読めると知ったからです。そこだけ読めればなんて思っていましたが、マクベインが編んだ本です。面白くない訳がない。しかも中編なのでかなりの読み応え。一気に読了。blackへ。
2016/02/23
KAZOO
短篇に比べると中編というのは難しいのではないかと思われます。その中で水準以上のものを選んで、全10編のうちここには5編が収められています。エド・マクベインは87分署シリーズから持ってきています。エド・マクベイン、ローレンス・ブロックは読んだことがありましたが、それ以外の著者は未読でかなりの水準で期待を裏切りませんでした。
2014/03/09
bapaksejahtera
87分署物の落ち穂拾いをして、5篇からなるこの中編集に辿り着いた。企画が9.11テロの直後に組まれたことで、皆なにがしかその雰囲気を受けている。マクベインの「憎悪」は、テロを偽装した殺人とその模倣犯罪で87分署の他CIAやFBIも登場する。晩年の作としては可というところ。ドナルド・E・ウェストレイク「金は金なり」の軽妙なタッチは良い。殺し屋の生活と意見と言うべきローレンス・ブロック「ケラーの適応能力」は流石だ。20世紀に入った頃、奴隷解放前のアパラチアを回想するシャーリン・マクラム「復活」は傑作であった。
2021/05/26
spica015
ミステリは好きだけれど、これまで現代のアメリカを舞台にしたものを読むき機会が余りなかったので、なかなか新鮮だった。〈87分署〉シリーズの「憎悪」は登場人物の多さに戸惑ったものの、連続殺人を巡る群像劇が生き生きと描かれていて面白かった。「ランサムの女たち」もスリリングだったけれど、風呂敷を広げ過ぎて収集しきれなくなった感じがした。「ケラーの適応能力」は殺し屋の自分探しといった感じで、それが何とも皮肉めいており、驚きこそないが、好きなタイプの作品。やっぱり中編は読みごたえがある。
2014/01/09
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