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死体をどうぞ (創元推理文庫)

死体をどうぞ (創元推理文庫)

死体をどうぞ (創元推理文庫)

作家
ドロシー・L・セイヤーズ
浅羽莢子
出版社
東京創元社
発売日
1997-04-24
ISBN
9784488183080
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死体をどうぞ (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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MICK KICHI

貴族探偵ピーター・ウィムジィ卿と女流探偵小説家ハリエッド・ヴェインのコンビによる2作目。前作でとある事件で有罪、死刑判決の窮地から一転、ピーターの一目惚れからの大活動で救いだされたハリエッドは、またしても殺人の現場に遭遇する事になり、聞きつけたピーターが助太刀に参上する。 不可能犯罪の謎解きをしながら、彼女を手に入れたいピーターの悪戦苦闘と、ハリエッドの自立心からの本心とは裏腹な言動からくる微妙な会話の面白さが、知的好奇心と恋愛ドラマの稀有なマッチングを生んでいる。

2019/11/03

セウテス

ピーター卿シリーズ第7弾。〔再読〕ピーターが結婚を申し込み続けている推理作家のハリエットは、旅行中に浜辺の岩礁で男の死体を発見する。身体は温かく出血が続いている死体は、たった今死んだばかりの様であったが、彼女が警察に連絡する間に潮が満ち波に流されてしまう。本作はデクスター氏のモース警部の様に、ピーターの推理が示されては否定され、また新たに推理しては間違いと解る事を繰り返す事だ。もう無いだろうという状態から、たった一つの事柄で大逆転させるとは素晴らしい。推理すべき謎が何処に在るのかさえ、気づけなかった良作。

2017/12/21

Tetchy

岸壁で1人のロシア人が殺されている、このたった1つの事件について600ページ弱もの費やし、さらにだれる事なく、最後まで読ませたその手腕たるや、途轍もないものである。事件がシンプルなだけにその不可能性が高まり、今回ほど本当に真相解明できるのか、危ぶまれた事件はない。しかも最後の章でまたも驚きの一手を示してくれるサービスぶりはまさに拍手喝采ものである。ただ犯人の動機がよく解らなかった。読み落としたかな?今回は表紙の装画に非常に助けられた。この装画がなければ現場の状況を克明にイメージできなかっただろう。

2009/07/22

LUNE MER

再読なのだがほとんど内容を覚えておらず、ラスト数ページに差しかかったところで事件を混迷なものにしていた錯誤が何であったのかを不意に思い出した。このネタの割には少し大長編になり過ぎ?という印象。もっとも、セイヤーズはトリック云々ではなく物語を愉しむ方がしっくりくる読み方ではある。本作はウィムジィとハリエットの馴れ初めを綴る一編であり、隙を見ては求婚するウィムジィをハリエットがひたすら塩対応するプレ夫婦漫才が見どころ。

2022/07/05

藤月はな(灯れ松明の火)

殺人事件、発生。しかし、警察への報告が遅れて満潮で死体が流されてしまうという状況下で性格的にも「どうなの?」と首をひねらざるを得ない胡散臭い容疑者が集う。捜査中の電報にも「結婚してくれ」と迫るピーター卿に「お断りします」と答えるハリエット嬢、捜査と並行してちゃっかり、ハリエット嬢とのデートに成功したピーター卿、捜査表に感想を書き込みツッコむ二人などなど、ピーター卿とハリエット嬢の可愛らしさが満載です。もちろん、しばらく、家を空けるバンターの指示を素直に聴くピーター卿も。大好き^^

2012/04/26

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