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罪悪 (創元推理文庫)

罪悪 (創元推理文庫)

罪悪 (創元推理文庫)

作家
フェルディナント・フォン・シーラッハ
酒寄進一
出版社
東京創元社
発売日
2016-02-12
ISBN
9784488186036
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罪悪 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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W-G

『犯罪』以上に"語らぬことで語る"後味勝負の短編集。各編の長さは短編というよりショートショート。事実だけを突き放して記し、何を読み取るかは完全に読者任せなスタンスが、破綻せずに上手く纏められている。『子どもたち』から『雪』あたりまでの、身近に起こり得る不条理の積み重ねみたいな流れが個人的には好き。『精算』『家族』『秘密』のラスト3連発もパンチがきいている。完全に短編向きな作家の印象だが、こういう作調を長編でも維持しているのか、はたまた、違う良さがあるのか、そちらも追ってみたい。

2018/04/15

ヴェネツィア

シーラッハは4冊目。これまでに短篇集を1冊と長編を2冊読んだ。もちろん長編も圧巻なのだが、それでもあえて言えば、シーラッハが本領を発揮するのはやはり短篇小説においてではないだろうか。本書は作家の第2短篇集だが、わずか230ページほどのところに15もの作品が並んでいる。ほとんど掌編小説と言ってもいいくらいだ。ところが、いかに短くてもそこには世界が結晶しているのだ。『犯罪』が法廷弁護士を主人公としていたのに対して、こちらは主として犯人が主人公だ。そして、ここに描かれるのは、なんともやりきれない事件ばかり。⇒

2017/09/03

KAZOO

シーラッハの小説は久しぶりです。「犯罪」を読みましたがかなり印象深い感じがしました。この短篇集には15の作品が収められていて後味の悪さが残る作品が多いような気がしました。第三者的な立場でそれぞれの事件を描写している感じです。ただ後を引く気もしました。

2018/08/12

sin

単に人生に訪れた犯罪の瞬間を描くことに留まらず、犯罪に巻き込まれた人間自身に焦点が当てられて描き出されているように感じた。司法が裁く刑罰と当事者の思い描く罪悪は違うということか…興味深い作品ですが、この短さと読みやすさは物足りない(笑)今更の感ではありますが弁護士は正義ではなく権利を追求する立場なんだね。

2016/02/21

巨峰

短編集だからか、罪悪のわりに淡々とした描写で、さくっとすぐに読めてしまいます。感情をストレートには出さない描き方なので、ほんとうにこの小説を味合うには、行間を読むのが必要かもしれない。

2016/11/13

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