誘拐されたオルタンス (創元推理文庫)
誘拐されたオルタンス (創元推理文庫) / 感想・レビュー
oldman獺祭魚翁
ウーン やっぱりフランスのミステリーは合わないのだろうか? 洒落たエスプリが聞いた小説なのだが、いまひとつのめり込めない自分が居た。訳者のあとがきと円城塔氏の解説を読んで、なんとかもう一度読み返してみようかといいう気持ちがわいてきた。
2017/03/26
zirou1984
前作以上にメッタメタなミステリものと思ったけど、円城塔の解説に目を通してから再読することで景色が変わった。そこにあるのは登場人物以上に主張の強い、数字構成記号たちが生み出す法則性。物語がその筋だけなく、構造や小道具までもが主題足り得てしまっている。本作におけるミステリとは警察が犯人を捜すだけの意味ではない。物語が完結した後、その中に直も潜む無数の仕掛けを読者が見出し、その背後に潜む秩序を暴き立てるまでが謎解きなのだ。これはつまり小説という衣装を纏った抽象絵画。ウリポ!
2017/08/26
うえぴー
教会での殺害事件がメインで扱われますが、途中で誘拐事件も発生し、最後にはきちっと解決します。しかし、食わせ物なのが、語り口の部分。作者とは何なのか、語っている私は誰なのか等々の問題について、しょっちゅう文中に顔をつっこんではひとり語りをするというメタ構造になっています。これにつまづいて、はじめは読書のスピードが上がりませんでしたが、「この本はメタフィクションなのね」と割り切ってからはスピードアップ。それからは、この癖の強い語り口が病みつきになってしまい、読み終えるのが惜しいくらいでした。
2017/03/26
rinakko
やっぱりオルタンスいいなぁ…。隅々まで堪能したわ。うおん。心待ちにしていた三部作の第二巻なので、すぐに読むのは勿体ないような…いやいやこれ以上待てぬ…と。サラダ菜を食む蝸牛たち、深夜の三十三点鐘…に始まり、比較赤毛論、オルタンスの螺旋楕円面を描く記憶の痕跡、差し挟まれる著者編集者間の書簡、〈ビール分析〉、謎めく黒猫、美青年がいささか多過ぎる…など、ねぶねぶ反芻していても切りがなくなる。何しろ再読が楽しみになる作品。大好きだ。
2017/02/28
不見木 叫
ジャック・ルーボーさん初読了。続編らしいが前作は未読。各々の視点がコメディタッチで面白かったです。全体的にメタミステリの雰囲気を感じました
2017/05/18
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