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跡形なく沈む (創元推理文庫)

跡形なく沈む (創元推理文庫)

跡形なく沈む (創元推理文庫)

作家
D・M・ディヴァイン
中村有希
出版社
東京創元社
発売日
2013-02-28
ISBN
9784488240097
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跡形なく沈む (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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W-G

物語のアウトラインが、どこか曖昧なまま進行し、わざと方向性を不透明にして、意外な展開が待っているのかと思いきや、ただボンヤリしていただけだったという、普通であれば、残念なだけの作品のはずが、そこそこに仕上がっているのは流石。視点人物の多さが、上手く機能せずに、散漫ではあるし、ルースの生死がはっきりしないまま話が進むのも、盛り上がりを欠く。しかし、アリスを筆頭に、キャラが立っている点は良く、全作品通して、犯人が暴露されるシーンの描き方が、ディヴァインは上手い。今のところ、どの作品も面白い。

2022/10/19

Kircheis

★★★☆☆ ディヴァイン晩年の作品。彼の作品の中ではパッとしない方に入ると思う。 探偵役の活躍が乏しかったのが一因かもしれない。どの登場人物も癖の強い性格なのだが、それがあまり活かされてなかったようにも思う。本作ではアリスが1番魅力あるキャラだと思うから、彼女をもっと目立たせていれば面白くなったかも。 犯人は分かり易い方だと思う。今回は普通に看破できた。 タイトルの意味が分かるシーンにもゾワ〜っとしたけど、1番怖かったのはは無言電話がかかってきたシーンやね。

2022/08/27

藤月はな(灯れ松明の火)

ディヴァイン作品には余り、良い印象はない。何故なら、登場人物が、人間が目を背けたい、普遍的で嫌な所を拡大したような描かれ、辟易するからだ。でもこの題名にはずっと、惹かれていました。今回、意を決して読了。この巻もまた、嫌な人ばかりだが、以前ほど、嫌悪感は沸かなくなっているのが嬉しいような、寂しいような・・・。ケンは見境がないし、ジュディは良い子だけど、相手を思い通りにしたい節が強くてそりゃ、ルースに煙たがれる訳だ・・・。縺れた人間関係とそれ故の事件を紐解く安楽椅子探偵役のアリスの存在感が爽やか。題名に身震い

2021/03/22

yukaring

ディヴァイン晩年のサスペンス色の強いミステリ。父親を知らずに育ったルースは母の遺品を調べて父が住むシルブリッジへと渡り、自分を捨てた父親や異母妹に憎悪をたぎらせる。そして思わせ振りな態度を取りつつ人々の不安を煽り、ついには殺人事件へと発展していく。かなりクセの強い登場人物たちに振り回され少し読むのに苦労したが、皆の隠している秘密が少しずつ明らかになっていく過程は面白い。主人公のケンのあまりにダメっぷりとルースのあまりの性格の悪さがなんとも・・。今回一番ゾッとしたのはラストでわかるタイトルの意味だった😱

2022/11/03

Nat

図書館本。これも面白かった。初めはルースが主人公で復讐譚になるのかと思っていたら、早い段階で違う方向へ。今回はこれはと思った人が犯人で当たりだった。結構良いところが多いけど何故か人生転げ落ちかけてるケンと、優秀だけど色々間違えそうなジュディスの関係にもハラハラ。解説を読むと今回図書館で借りた3冊が、たまたまディヴァイン最晩年の三作だったことが判明。次はウォリス家の殺人を読んで、ミッシングシングを完成!

2023/12/22

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