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紙片は告発する (創元推理文庫)

紙片は告発する (創元推理文庫)

紙片は告発する (創元推理文庫)

作家
D・M・ディヴァイン
中村有希
出版社
東京創元社
発売日
2017-02-26
ISBN
9784488240110
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紙片は告発する (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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W-G

本格ミステリとしてはイマイチなのに、小説としては面白いという、作者にとって名誉なのか不名誉なのか、微妙な感想を与えてくる作品だった。犯人の配置などは上手かったし、真相が明かされた瞬間に口走る一言なども、それまで巧みに伏せられていた一面を、簡潔に表現していて良かったと思う。犯行が行き当たりばったりで、特に計画性もなく、トリックらしいトリックのない、警察でじゅうぶんに解決可能なものであるという事実が、根本にして最大のネック。不倫話を本格に溶け込ませて、違和感がないあたりは評価ポイントと思えた。

2022/10/12

Kircheis

★★☆☆☆ つまらないとまでは言わないが、安定したクオリティを有するディヴァイン作品の中では印象が悪い方。 ヒロインのジェニファーが不倫関係にハマりきっており、それを正当化するシーンが多くて辟易した。 一方でクリスが急にジェニファーに求愛し始めるのも唐突すぎて応援できず… 犯人のヒントは割と沢山散りばめられているが、かなり細かいので気付くのは少し難しいかも。 どちらにせよアリバイトリックも犯行計画も杜撰な上、真相が小粒なためにサプライズはあまりなかった。

2022/08/12

ケイ

ミステリとしてはドキドキして読めるが、ラストにはがっかりだ。ミステリとしてのラストでなく、この作品の最後の数行。ミステリには殺人ありきとしても、全体を通してあまりにも亡くなった人への敬意がないのだもの。

2018/08/20

紅はこべ

まず英国の地方行政の様が興味深かった。この制度は今もそうなのか。殺人の謎よりジェニファーの恋の行方が気になった。美しく聡明で気立もいいのに、クズ男にメロメロになる、ありがちパターンだけど。

2022/09/19

yukaring

ディヴァインらしいシンプルだけれど緻密に組み立てられた王道フーダニット。今回は珍しく政治絡みで町政庁舎が舞台。職場で拾った謎の紙片を同僚たちに大袈裟に吹聴するタイピストの女性。そしてその女性は殺害されて紙片は奪われる。町長選出で忙しい庁内では皆がこそこそと交わす密談、不倫や秘密の駆け引きが横行。その中で即座に口封じに及んだのは誰なのか?今回は登場人物が多めで把握するのに苦労したが、リアルな人物描写と秘密で縺れあった複雑な人間関係の絡みはさすが。犯人は想定内だったがロジックを辿りながらの謎解きが楽しかった。

2023/03/17

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