海岸の女たち (創元推理文庫)
海岸の女たち (創元推理文庫) / 感想・レビュー
のぶ
スウェーデン産のミステリーだが、舞台がフランスからスペインにわたって展開するので、従来の北欧物とは毛色の変わった作品だった。物語のほぼ全体をアメリカのジャーナリスト、パトリックの行方不明事件が基になって進行する。妻、アリーは夫の行方を探すためにパリに飛ぶ。この話、パトリックの失踪が、何かの事件に絡んでいるだろうと予測がつくので、ストーリーの先が読みやすい。そしてある事件を追っていたらしいという事実が明らかになる。事件は陰惨だが、いつも読む北欧物と比べ雰囲気が明るく、面白く読む事ができた。
2017/07/12
星落秋風五丈原
テレーセの話を出したからにはどこかでこの二つは繋がるのだろうと思いながら読んでいく。わかってみれば答えは最初から読者に提示されていたのだが、ある情報を敢えて著者が出さなかったために、なかなか見つからない。アリーナはお腹は目立たないが妊婦である。普通なら誰か信頼できる男性主人公を一人立てるのが理想的だが、外国語があまり得意ではないにも関わらず、彼女は一人で動く。彼を思う愛情の強さ故だと好意的に解釈するが、一方で子供の事をもっと考えればいいとも思う。特にラスト近くで起こってしまうある出来事の後では特に。
2022/12/11
わたなべよしお
まあまあかな。読者を引っ張っていくストーリーテリングをみると、なかなかの実力者だなという感じはするし、社会性もある。ただ、主人公はともかくその他の登場人物の造形がイマイチだし、全体的にウェットなのが気になる。あれほどの問題もテーマとするなら、やはりドライじゃないと。
2017/08/21
グラコロ
妻は強し! 失踪したジャーナリストの夫を探し求めてニューヨークからパリ、リスボン、そして地の果てジブラルタルへ。死人が出ても何のその。最後の決着のつけ方が潔いから、簡単すぎるくらい謎に迫るのには目をつぶろう。きっと母親勝りのタフな子供が生まれてくるんだろうな。
2017/09/24
will
スウェーデンの作家、北欧ミステリーといことで楽しみに読んだ。何が出てくるか分からないのが魅力だ。やはりまた面白い作家に出会った。エログロ酷くは無くて良いのだが、どんよりとした暗さが残るストーリだった。結末がどうということではなくテーマしかり、作品全体の読後感が重い。そこが魅力だと思う。取材中に行方不明の夫パトリックを探しにヨーロッパへ出向く妻アリー。何を見つけたのか?アリーと一緒に謎探しが始まる。この導入部がミステリー好きにはたまらないのだ。アリーにはアンジェリーナ・ジョリーかゼタ=ジョーンズ? 古いか?
2018/06/24
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