耳をすます壁 (創元推理文庫 247-2)
耳をすます壁 (創元推理文庫 247-2) / 感想・レビュー
♪mi★ki♪
女2人でメキシコ旅行。性格悪い方が、転落死。もう1人は、脳震盪で発見されその後行方不明。行方不明の妹を探す為に兄は探偵を雇う。少々古臭いミステリー映画みたいな読み応え。マーガレットミラーなので、人間関係は陰湿だが、それほどゲゲっって感じの人物は無し。また例の如く最後の一行まで引っ張るパターン。
2017/03/17
くさてる
ミラーらしい、厭な人間関係をみっちり書きこんだ展開が面白かった。厭な関係だけど、根っからの悪人はほとんどいないのがリアルです。そして、おおよそこちらの予想通りに話は進みそこにたどりつくまでのサスペンスで読ませておいて、まさかのサプライズエンディング。見事に足元をすくわれました。人間って怖い、と思わせるミステリです。
2016/01/13
bapaksejahtera
女性二人がメキシコ旅行中関係がギクシャク。いかにも性格の悪そうな方がビルから飛び降りて死亡。この死には怪しい所がありそうだ。残された女性は傷心を抱え、夫に付き添われて帰国。すると怪しやな彼女は姿を消す。妹に執着する彼女の兄は、半ば彼女の死を疑いつつ本作の大立者たる探偵を雇う。著者得意の軽妙な文体はメキシコ人を危うく弄くるが、戯画的描写には至らない。読者の興味を引き付けつつ土壇場の意外な結末に導く。第二の殺人が起きた後、重要参考人達が易易と再度メキシコまで事件解決に赴くのを警察が見逃すのを忘れる程面白い。
2022/08/25
harukawani
発表されたのは『狙った獣』『殺す風』の頃。その2作ほどの斬れ味は無いが、そこはミラー、十二分に楽しませてくれる。まず序盤の毒っ気がたまらないなぁ。メキシコのホテルのメイド、コンスエラの視点で切り取られる2人のアメリカ人女性の人物像。とにかく事件が起こるまでの文章がキレッキレ。やがて1人が死に、1人が消える。ミラーお得意の”失踪”とそれに続く関係者たちの駆け引き。今作では私立探偵が謎を探る役目を追うが、このキャラもいい。登場人物それぞれの心理が容赦なく書かれたその先に待つラスト1行。さすがの良作。好き。
2020/04/16
Masa
読了。なにこれすごく面白かった。面白かった点をあげよ、とか言われるとちょっと困るんだけど、これって、「わたしのどこが好き?」とかそういう質問と同じだと思う。なんかこう、全体の雰囲気? マーガレット・ミラーっていう自身の中でちょっとだけ特別なイメージがある作者の影響もあるかも。とにかく面白かったんです。探して読んだかいがありました。先日タッチの差で、ミラーの作品入手しそこねたことが、これを読んだあとで悔やまれました。
2016/10/11
感想・レビューをもっと見る