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ミランダ殺し (創元推理文庫 M ミ 1-4)

ミランダ殺し (創元推理文庫 M ミ 1-4)

ミランダ殺し (創元推理文庫 M ミ 1-4)

作家
マーガレット ミラー
Margaret Millar
柿沼瑛子
出版社
東京創元社
発売日
1992-02-01
ISBN
9784488247041
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ミランダ殺し (創元推理文庫 M ミ 1-4) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

カリフォルニアのビーチクラブに集ううち、ある者は隣人に興味深々、またある者は構われたくない。心底の友人関係など一つもない彼等のうち男女二人が突然失踪する。そのうちの一人がミランダだ。彼女がなぜ、いつ、どのように殺されたのかを明かす話にならず彼女は戻って来る。ビーチクラブの面々の誰一人として全くの善人はおらず「自分がいかに得をすべきか」を考えている。だからといって罪に問うほどの極悪人ではない。作者の“さりげなく読者の思考をその方向に持ってゆく”キャラクター紹介のチラ見せ具合がなんとも上手い。人間観察の賜物。

2020/06/16

りつこ

問題のある人たちが大勢出てきて、誰もかれもが自分のことしか考えてなくてぎゃあぎゃあうるさくてでもこんな中で殺人事件なんて起こるのかしら?と思っていると、いやいやいや…。まさかこんな展開、こんな結末が待っているとは。それがこのタイトルにつながるとは。面白い!

2018/08/05

藤月はな(灯れ松明の火)

運が廻らないと嘆く、アル中寸前の神経質なホテル・オーナー、地味で建前だけの従業員、ドンファン気取りのプール監視員、善人そうでいて匿名の中傷手紙を書いて楽しむ孤独な老人、マフィアとコネがあると豪語する金持ちなだけのクソ餓鬼、パラサイト・シングルで自分勝手なオールドミスの双子、そして美貌と老いを気にし、愛はこれっぽっちも信じていない女、ミランダ。悪魔で自分を舞台の主人公に置きたがる人々が引き起こした陥穽を描く厭ミス、ここに極まれり。最期の言葉も手紙を燃やしながらいうことじゃない。

2014/03/31

くさてる

カリフォルニアのビーチクラブを舞台に始まる、一癖も二癖もある登場人物の人間模様が、いったいどこに転がるのかが気になって一気に読んだ。題名通りの流れにどう行きつくかを考えながら読んだのだけど、まさかのラストで息をのんだ。登場人物はみなアクが強く、いささかどぎつすぎるので、ブラッミステリとしての怖さだと思うのです。面白かった!

2020/07/18

bapaksejahtera

中年の女主人公ミランダは高齢の夫に死なれるが、資産家の夫は実は負債を残しただけだった。夢に浮かれたような彼女はこの小説の主な舞台であるビーチリゾートクラブにもいられなくなり、ここに働く若者と語らってメキシコに逃げる。遺産問題の検認手続で彼女のサインが必要な駆出し弁護士アラゴンは彼女を見つけ出すが。本作の登場人物は多くが誇張された性格。おしゃべりで嫌な奴ばかり、私には気に入らない展開で一体物語はどうなるのかと思ったが、終盤に至って事件が勃発して表題が現実の物となる。作家の意地悪さにはほとほと感心した。

2022/08/15

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