秋の城に死す〈上〉 (創元推理文庫)
秋の城に死す〈上〉 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
のぶ
スウェーデン産のミステリーで、まだ上巻を読んだ限りだが、多くある北欧物と毛色が変わっているのは、本格色の強い作品のようだ。事件は伯爵家の古城を買い取った弁護士が殺された事だけ。探偵役は女性でアルコール依存症の刑事というのが、北欧ミステリーらしいところか?いくつかの伏線らしきものが置かれて、関係者へのアリバイ捜査が始まって、怪しげな人が何人か浮かび上がったところで上巻は終わり。この展開が当たっているのか?感想は下巻で。
2016/03/20
すい
古城を舞台に繰り広げられる殺人事件の影に見える、様々な人間ドラマ。一言で言えば、本書はそれを楽しむ(楽しめるだろうか)に限る。ミステリーとしても楽しいが、第一の被害者であるピエテションが天の声として事件の捜査を進める刑事たちに張り付いているので、読む側としては頼もしくも混乱してしまう。なので、謎解きは素直に刑事たちに任せ、登場人物達の内面の葛藤を追っていくのが正しい読み方かもしれない。えげつないほどに追い詰められた主人公のモーリンが、どのようにして立ち直り、事件に向き合っていくのか。その過程を楽しむ上巻。
2016/02/08
barabara
女性刑事の破綻への道程が痛々しい。何もかもが壊れていくような不倫はやめてほしい。これほどの破綻者が複雑な事件に挑めるのバイト不自然すぎる。
2016/01/31
ほちょこ
刑事がアル中に苦しむ、という設定は何度となく北欧のミステリに出てくるが、今度は女性のアルコール依存症刑事。3作目にして、とうとうどん底に落ちてしまったモーリン。それでも勝気で見栄っ張りな態度をくずさない。周囲の人間模様(そして死んだ被害者までもが雲の上から登場するのはこの作者ならではの面白さ!)を交えて、またもや事件は混迷の真っ只中へ。
2016/01/05
Hiroh
死者も含めてあらゆる人物が独白するスタイルは、やっと、こういうものか、と思えるようになった。事件よりもモーリンの状態の方がよほど気になる。
2018/01/09
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