11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-1)
11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-1) / 感想・レビュー
とよキチ
初めての泡坂妻夫作品。作者自身が石田天海賞受賞のマジシャン。マジックとミステリを結合させた第1長編◆マジシャンだからか?世界観に読者を楽しませようとする温かみが感じられ、ストーリーの構成が面白い!長編の流れの中に、奇術を基にした短編の作中作を挟み、それをも伏線として絡めている。エンターテイメント・ミステリの両方を楽しめる、1冊で2度美味しい作品でした。それにしても、この伏線の張り方の妙は…。伏線だけに注目して再読しても、十分楽しめると思う。
2012/12/10
藤月はな(灯れ松明の火)
流石は名作。力業推理やメタミスやアンフェア問題が現在のミステリを横行する一方でこんなにも清々しい驚きに満ちているのはミステリファンには御馴染みのミステリーならではですね^^事件に挟まれる奇術についての11の小噺が蛇足ではなくて全てが、ちゃんと事件への伏線へとなっているところが本当に読んでいて気持ちよかったです。
2014/04/01
セウテス
〔再読〕泡坂氏は探偵小説専門誌『幻影城』出身の作家と、言っても良いのではないかと思います。マジックショーの最中、ステージの箱から銃声と共に出てくる筈の女性が、自宅の部屋で殺されて見つかります。この作品は三部構成で二部に作中作「11枚のとらんぷ」があり、11の奇術のトリック話になっています。しかしそこには作者が仕掛けた、綿密な伏線が張り巡らされているのです。泡坂氏はミスディレクションの巧みな使い手です。読み終えて初めて何でもない文章が、伏線であったと気付かされます。文章のプロの職人技に、感激さえ覚えます。
2014/12/29
Tetchy
作中作『11枚のとらんぷ』というショートショートミステリも盛り込まれ、なおかつそれが本書の事件にも大きく関わっているというサービス精神溢れる1作。色んな人にお勧めするのだが、なぜかあまりいい感想が返ってこない。どうも犯人が気に入らないらしい。とはいえ、オイラにとっては不滅の傑作だ。
2009/01/28
yucchi
泡坂妻夫氏のデビュー作を遅ればせながら読了。 ドリフのコント並みのドタバタマジックショーの最中に起きた殺人事件。第二部の作中作『11枚のとらんぷ』と続き、後半の解決編へ。作中作がどのように話と繋がるのか?後半が少し間延びした感もあるけど、面白かった。
2015/03/11
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