亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-6)
亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-6) / 感想・レビュー
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記念すべき500冊目は亜愛一郎の三部作最終巻となりました(^-^) 亜の行く先々で見かける三角形の顔をした老婦人。名もなくその容貌だけで記される彼女の正体が気になっていたが、遂に明かされ納得。そして亜愛一郎にも秘密があった!!(゜ロ゜ノ)ノ ゆるーい探偵だがその真相には目を見張る。連作短編で読みやすく、何よりこの癖になる世界観。楽しかった。
2017/09/19
papako
間違えた!最終巻を先に読んじゃった!ま、再読だから問題ないけどね。これは意外と内容を覚えていた。そうだったなぁって読んでました。相変わらず白眼をむいた亜愛一郎はすごい。バリエーション豊富な謎。するっと登場する亜愛一郎。楽しかったです。
2020/08/25
なる
おそらく、あらゆる探偵小説のトップに登場するであろう探偵(五十音順で)。なにしろ名字が亜で名前が愛一郎。作者も意図して付けたらしい。本作でシリーズは完結らしいのだけれど、あろうことか最初に手にしてしまったので拝読。40年くらい前の作品なので言葉遣いなどやや古びたところが見受けられるものの、なんとなくの想像で読める。無関係に必ず登場する三角形の老婦人の正体も。かなり強引な結末だがトリックの妙を楽しむというよりも、探偵の王道である人間の心理を巧みに描いた「既成概念の裏側を突く視点」を楽しみつつ学べる。
2022/04/27
セウテス
亜愛一郎三部作ラスト。青と黒の縞のワンピースが、白と金の縞に見えてしまうと話題に成りました。脳の錯覚や色の配列のなせる業と言われていますが、読み手によって全く違う作品に見せてしまうのは、泡坂氏の見事な処です。固定観念による思い込みや、考える方向の違いによる心理トリックを使い分け、その意外性やロジックには只感動するばかりです。そして三部作が完結して仕舞います。亜愛一郎と三角形の顔をした老婦人の正体、そして粋な計らいも用意されています。これ程練り込まれ、しかも軽やかな作品、全てのミステリーファンにお薦めです。
2015/03/05
Tetchy
本作についてはもう寧ろチェスタトンばりの逆説論理を縦横無尽に展開するといった印象は薄れ、大人の読み物としての洒脱さが結びの部分に窺われ、作者の老練な筆捌きに酔いさせられる感が強い。そしてそれがまた来たるべき幕引きへ徐々に徐々に向かっていく読者の別れ難き喪失感を促すような効果をあげているように思えるのだ。さらば亜愛一郎。そして今までありがとう。
2009/05/09
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