喜劇悲奇劇 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-9)
喜劇悲奇劇 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-9) / 感想・レビュー
雪紫
再読。台風とうとう吹いた。から始まるショウボートで回文名芸人連続殺人の幕が上がる。展開覚えてても趣向に殉じた展開や奇術達、キャラの動きや伏線が楽しい回文エンターテインメント。まあ七郎が酒に逃げる駄目人間な評価は初読から変わらないけど言動見てると結構気にかけられたり愛されてるのもわかる気がする。何気にグラントがカレー好きだったり虎のレバーに執着するシャロンは今でもツボ。「おお、虎のファグラ……」
2022/08/05
たか
上から読んでも下から読んでも『きげきひきげき』〜タイトルに始まり、各章の見出しや登場人物など、ことごとく回文ずくめになっており、随所に言葉遊びが散りばめられている。 ここまで言葉遊びを徹底しているミステリも珍しい。 読み進めていくと、何もかもが怪しく見えてきて、新しい登場人物が出てくる度に、名前をひっくり返したり、並べ替えたり…。 最後には、回文がミステリの真相にも深く関わっていることを知って驚いた。全てが真逆のミステリ。 B評価
2020/08/09
はと
上から読んでも下から読んでも同じ言葉を、回文、と言うらしい。回文をめぐる連続殺人事件。言葉遊び、多様な奇術、仕掛など、いかにも泡坂妻夫さんらしい作品。作品全体が凝ってます!泡坂ワールド満喫!
2016/07/27
砂糖と塩
再読。腕は三流、酒に弱くて、飲まないと恩人に誓った舌の根も乾かないうちから酔っぱらってリハーサルで失敗連発…とダメ人間なマジシャンが主人公の長編ミステリー。寝とられた元妻と仕事先で再会したり、陰鬱な展開になってもおかしくないんですが、どこかとぼけた会話と遊び心に溢れた物語のおかげで、軽快に読み進められます。タイトルも章ごとの副題も回文。被害者の名前も回文。登場人物達のやり取りでも回文連発。全ての事件に必ず一つはトリックが使われてて、ミステリーとしてもサービス満点です。あ、主役の助手の森真も可愛かったっす。
2014/11/03
新天地
題名も各章のタイトルも登場人物達も回文尽くしで圧倒されっぱなし。前に読んだ『乱れからくり』も凝っていたけどそれ以上に凝りに凝っていたのが本作。中でも「地獄を見た」という話の内容がまさに想像を絶する地獄だったのに圧倒された。犯人の動機もなるほどとなるし、トリックもお見事。しかし主人公の七郎がいまいち好きになれず、あまり物語に入り込めなかったのが残念。それでも単なる粋を凝らした知的遊戯でないのはさすが。
2017/09/07
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