風の証言 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 3-7)
風の証言 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 3-7) / 感想・レビュー
セウテス
【鬼貫警部】シリーズ第14弾。本作は中編「城と塔」を、長編化した作品。鬼貫警部特徴のアリバイ崩しがメインの謎解きだが、いつもの時刻表トリックではない。ひとつは写生した絵を使ったもの、ひとつは写真を使ったものだが、どちらも1作品を支えられるトリックだろう。二転三転する推理戦の結果、これまた真犯人でないと判明するも、更に先を読みたくなるのは見事です。但しどちらのトリックも、自分で見破るには視覚的な説明が必要だと思う。私的には水戸黄門の印籠の様に、自信満々の犯人に謎解きをぶつけて、観念する姿を描いて欲しかった。
2020/07/02
coco夏ko10角
鬼貫警部シリーズ。時刻表でないアリバイ崩し。思いつく犯人もすごいし崩す警察もすごい。この犯人が陥落するところを見たかったけど場面が飛んでしまったのが残念。最後でタイトルの意味が。
2018/06/21
ホームズ
事件の内容が一気に変わってしまったのがビックリ(笑)でもいい感じでした(笑)「風の証言」という題名が良いですね~(笑)今回は当然丹那刑事は苦戦してましたが鬼貫警部も結構苦戦してましたね(笑)
2010/12/28
コウ
久し振りに長編ミステリを読んだので、えらく時間が掛かってしまった。巻末に本作の母胎となる短編&中編が折角載せてあるのに…比較する元気がない。勿体無い読み方をしてしまったと反省。それでも作品自体は面白く読むことができた。現場不在証明までの地道な推理課程は見事。私もタイトルは『風の証言』が良かったと思う!
2022/05/31
はんげつ
久しぶりに鬼貫長篇を読んで、やっぱり鮎哲はいいなぁとなっています。短篇に使えそうなアリバイトリックが3つもあるという嬉しい盛りっぷり。でも本書の真の凄さは、トリックの解明よりも、トリックが使用されたことの証明にこそあります。その論理の鮮やかなことはもちろん、読者に証明の手がかりがフェアに提示されている、この点が本当に素晴らしい(ページを止めるタイミングはすごくシビアですが…)。「風の証言」というタイトルもそこに関わってくる。関わってきた瞬間、痺れる。いやあ、鮎哲長篇暫定ベスト3に滑り込んできましたね。
2019/07/21
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