仮題・中学殺人事件【新装版】 (創元推理文庫)
仮題・中学殺人事件【新装版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
森オサム
ポテト&スーパーシリーズ一作目。昭和47年の作品。「読者=犯人」とはどう言う意味か?、と読んで見ましたが、まあ嘘では無いですかねぇ(笑)。短編集では無いのでしょうが、長編とするなら主人公の違うエピソードが交互に書かれ、少々分かり辛かった様には思います。とは言え言葉遣いや社会的背景の古さは横に置くと、総合的には面白かったです。時刻表トリックの鉄道ミステリでも有りますし、アニメ、マンガと作者らしい。また解説も洒落てます、文体や内容で想像出来ましたが最後までサービス精神は旺盛。薄い本ですが読み応えが有りました。
2024/05/31
おうつき
ずっと読もうと思っていた一冊。良い具合に気楽に読める内容で結構楽しめてしまった。個々の要素で爪の甘さはあるが、主題である「読者=犯人」という趣向が割と巧くできている。文体や登場人物達のノリ自体も時代を感じつつ雰囲気に浸ることができた。
2024/02/22
鐵太郎
昭和40年代にこの本が書かれたのは、大人たちが今も言われる決まり文句「いまの若い者は活字に親しもうとしない」への反発からだそうです。中高生向けの面白い本格的なミステリなどがないのに、彼らが読まないことを歎くとは何て無責任な、と。というわけで、「この推理小説の真犯人は(読者である)きみなんです!」という刺激的なプロローグで始まる連作短編の開幕となります。ほほう、時刻表トリックに重ねてあれもこれも詰め込んで、なんと爽快で陰惨で快適なミステリに仕立てたものですね! 面白い!
2023/10/13
マツユキ
主人公は、中学生のキリコ(スーパー)と薩次(ポテト)。人気漫画原作者が殺された事件と、女子トイレの個室で亡くなった同級生の時間に挑みます。それとは別に飛行機事故の遺族たちの物語もあり、犯人は読者ってどう言う事?と思っていたら…。後味悪が悪いままで終わらなかったのが良かったです。容姿とか、勉強とか、才能とかの優劣がはっきりでていて、そんな中で恋愛があり、美しくはないけれど、強く印象に残りました。シリーズ化されているので、続きも読みたい。
2024/06/18
本の蟲
無駄知識をため込んだ美少女可能キリコ(通称スーパー)と、容姿に難ありの男子牧薩次(通称ポテト)の2人が活躍するミステリシリーズ。昔懐かし時刻表トリックから、読者が犯人と謳うメタトリックまで。まだラノベ・ライト文芸(ミステリ)なんて言葉がなかった時代のジュブナイルミステリとして、以降二人の高校生、受験生、結婚、高齢出産まで巻を重ねる。登場人物が歳とるシリーズは好きなので1作目手に取るが、やはり言葉選びや雰囲気に、少年少女向けを意識しているような独特の気恥ずかしさが漂う。続きはどうしよう…
2024/05/31
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