天啓の宴 (創元推理文庫 M か 2-5)
天啓の宴 (創元推理文庫 M か 2-5) / 感想・レビュー
ソラ
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) 新人賞受賞が内定しながら、担当編集者と選考委員の目にしかふれぬまま失われた幻の小説「天啓の宴」―デビュー二作目が書けずに悩む作家・天童は興味を覚え、その謎を追究し始める。一方『昏い天使』でデビューしつつも、第二作を破棄して失踪した宗像は、出獄してくる親友のため、山荘に篭って回想記を書いていたが…。究極の小説を希求する作家たちの織りなす傑作ミステリ。
2007/09/25
Takashi Tokairin
厄介な本です。
2008/01/03
るね
学生運動やら作者と読者の関係論やらが随所に語られ、幾重にも起こる事件を綻ばせながらのメタフィクション的構成が目を引く。文学論めいたことは流し読みでいいかもw 真実を推測していく過程の描写がくどく感じられることもあるが、二転三転する物語とそこから生まれる新たな可能性を追っていくのは楽しい。ただ最後あそこに帰着するのはびっくりした。
2011/05/16
いちはじめ
メタ・ミステリの意欲作。意気込みがやや空回りしている気もしないでもないが、面白い
2007/08/04
しんだもずく
幻の新人賞受賞作「天啓の宴」をめぐる傑作メタミステリ。『ウロボロスの偽書』への応答として書かれた本ということだが、やはり氏の筆力と性分によって『偽書』よりも理論的に徹底されている様に感じた。三島やサルトル等の思想を引用しながら「作者の死」が掘り下げられていく、あるいは学生運動に絡んだ「68年的」な革命運動の思想とメタフィクションが接続されていく。並行するそれぞれの物語も面白いが、やはりそれぞれの登場人物の思想や文章そのもの、観念的な話が楽しい。トリックも好み
2021/06/13
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