大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)
大きな森の小さな密室 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
初めて読んだ作家さんでしたが、サクサクと読み進む話と全く読み進まない話との混在した一冊でした。一人の作家さんがこんなにもストーリーに差を持たせることができるなんて、やはり才能があるからなんでしょうね。そして、様々なキャラクターの探偵さん達が登場させて、そのキャラを存分に発揮して推理していく姿がこの本のポイントの一つなんでしょうね。しかも、巻末には探偵たちの解説まで載っているのだからキャラを大切にしているのが窺えます。7つの話の中では日常生活ミステリーの「路上に放置されたパン屑の研究」が気にいりました。
2014/06/28
mae.dat
色々なシチュエーションの短編7作でした。ミステリーと言う以外は、作風がバラバラなのね。探偵役とかの登場人物が横断的に出てきたりはするけども。 事件の舞台・設定が素っ頓狂な感じがするので、読み手を選ぶかも知れませんね。
2020/12/24
nobby
犯人当てからSFまで贅沢三昧な短編ボックス。登場する探偵役も作品跨いでの共演でキャスティング豊か。作者あまり知らず勝手なイメージから、もっと暗く怖くなのかと思っていたら案外軽く読めた。あくまで個人的に確認出来たのは、やっぱり長編がいいなぁと…ロジカルや物理的・科学的に簡潔に検証されてしまうと物足りなさ感じてしまう。その中では、些細な事柄をしつこく追い続ける「路上に放置されたパン屑の研究」と150万年前のキレイな死体発見をめぐる究極のバカミス「更新世の殺人」が大好き!
2017/05/30
セウテス
小林泰三ミステリシリーズ短編集第1弾。どれも探偵が活躍する7作品だが、前作「密室・殺人」に登場したその他被疑者や不審人物などが、探偵役として事件を解決するとは驚くしかない。勿論同じく前作で登場した、谷丸警部がお手伝い役となっているのも一興だ。犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵など、ミステリにお馴染みの7つのお題で出来上がっている事も魅力的だ。本作登場の探偵も中々面白い、きっと別の作品に当たり前の顔をして登場するだろう。ひとすじ縄ではいかない一癖二癖ある作品ばかりだが、又別の物語で会いたいと思ってしまう。
2019/02/10
chiru
小林泰三さんはハードホラー作品から入ってしまって、ずっと敬遠してた作者さんですが、おすすめしてもらって読みました! 犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵、バカミスなど、読み味の違いを堪能できる短編たち。トリックは掟破り風味だけど、どの作品も盲点をつくポイントがコミカルで、7話の探偵さんが次の短編にもいたりして楽しい。個人的には、健忘症探偵の『パン屑』が好み。短編のほとんどが会話劇なので、想像しながら読むのも楽しかった♪ そして一番魅力的な謎は礼都さん! ★4
2019/09/27
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