壺中の天国 下 (創元推理文庫)
壺中の天国 下 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
セウテス
第1回本ミス大賞作品下巻。連続殺人は続き、被害者は遂に四人目となる。推理の論点はミッシング・リンクは何かという事なのだが、会話に「理由が被害者側から見つからない」などのヒントがシッカリ在る。電波系怪文書の中で、妨害者とハッキリ書いてある事から、犯人は彼らを邪魔者と認識したと解る。残念ながら、犯人が妨害者を認識する方法は解らなかったが、さすがに本ミス大賞作品、かなり高度な推理が必要となる。怪文書からの謎解きは感動ですらあるが、フーダニットこそは何より魅力的な謎だと思っている私にとって、不満も残る結末である。
2017/11/05
coco夏ko10角
こういう連続殺人事件が!という小説でただの主婦が主人公なのがなんだか新鮮でよかった。変わっていく町の空気とか日常のちょっとしたこととかが丁寧に描かれていて。 で、ミステリーの方は…こんなミッシング・リンクわからないよ…。該当箇所を読み返してみたら確かに書いてあるけど、うん、無理。第1回本格ミステリ大賞らしいけど、トリックだけならメフィスト賞って言われた方がしっくりくる。
2017/06/04
MATHILDA&LEON
今まで散らばっていた謎が、最後に一気に解ける時の爽快感、本作では物凄いものがあった。なるほど、そうだったのか、の連続。タイトルである『壷中の天国』の世界観が余さず描かれていたし、満足の一言。行間もあまりなく、ぎっしりしていたので、なかなか読むのに時間が掛かってしまったが、これは良作。ミステリ好きの母にも勧めようと思う。
2018/07/10
とも
★★★感想の第一声は長すぎ。よく厚さを感じない、という作品があるが、いやいやこの作品に限っては十分に厚みを感じられる。その理由のひとつには、章という区切りが存在せず読みずらいという、内容以前の問題であった。作品としては、殺人ミステリーながら、なかなか殺人は起こらないし、余計な説明文は多いし、犯人の声明文は 文法や意味の成り立ってないず読みずらい。全体的にダラダラ感が否めない。最終的には、確かにきっちりと伏線が収束していくのだが、対時間効果は薄い。
2018/08/12
しましまこ
被害者パートがいよいよ面白い!被害者を繋ぐミッシングリングとは? 間延び探偵正太郎に語られてみると、アレもコレも書かれてるじゃん。正太郎が突然推理を披露した理由、「白おたく」と「黒おたく」、そしてロマンス!ですよね。今回も楽しく読了。
2015/09/30
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