龍の耳を君に: デフ・ヴォイス (創元推理文庫 M ま 3-1)
龍の耳を君に: デフ・ヴォイス (創元推理文庫 M ま 3-1) / 感想・レビュー
旅するランナー
デフ·ヴォイス②。「龍の耳」の意味を知る時、心震えます。聴覚口語法学習など、ろう者を取り巻く状況が、さらに掘り下げて描かれます。ろう者が自分の言葉を持つことの重要性を知ることができます。2作目にして、より深みが増した印象です。
2022/04/06
ナルピーチ
『デフ・ヴォイス』シリーズ第2弾。3篇で構成された連作小説は3つの事件が繋がりを帯びて1つの大きな物語として楽しめ、ミステリー小説としての満足度の高さも伺える。ろう者の“ろう”を漢字で書くと“聾”となる。その説明を受け、タイトルでもある『龍の耳を君に』に込められた丸山先生の想いをヒシヒシと感じた。荒井とみゆき・美和による3人の関係性も気になるところ。みゆきとはちょっとギクシャクしている節があるが、美和とは距離感はグッと縮まってきた模様。この3人にも要注目。最後の描き方からして良い方向に向かっているのかな。
2024/06/19
おしゃべりメガネ
ハードカバーで読んで以来、四年半ぶりの再読でした。あとがきにも書いてありましたが、まさか続編がという驚きと、やっぱり「荒井」さん、帰ってきてくれたという安堵がミックスされ、期待が必然的に高まるなか、軽々とクリアしてしまう本作は読みごたえ十分です。今回は「ろう者」のみならず、あらゆる場面での手話の活用を学ばせてくれます。特に表題作は前作同様、ミステリーとしても非常にレベルが高く、かつ'緘默症'について新たな知識を深めるコトができます。「荒井」さんファミリーの更なる幸せを願って第三弾を読みたいと思います。
2022/09/04
mint☆
"龍の耳"とはそういう意味だったのか。タイトルの意味がわかると感慨深い。この本を読んでから何度も通ったことのある道に聾学校の看板があると気がついた。今まで全然目に入らなかったのが信じられない。前作同様ミステリーでもあり、ろう者を取り巻く生きにくい環境を丁寧に描いていている。発達障害は親の責任、のような「正育学」の法案が通ったら怖いなと現実じゃないのにハラハラでした。今作もよかった。次も読みます。
2021/11/20
五右衛門
読了。待ちに待って読み終わりました。以前にも増してミステリー感が強くなっていませんか?全編を通じて主人公の孤独感を引きずっていましたが娘の素朴さ、緘黙症の彼との通じ合い辺りは心が和みました。手話を通じて本人たちは唯一の言語、一般人には秘密の言語的な行き違いにもハッとさせられました。最後はハッピーエンドですよね。家族が出来たんですよね。次巻も楽しみに待っています。文庫になるの遅くありませんか?
2021/03/01
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