魔法飛行 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-2)
魔法飛行 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-2) / 感想・レビュー
さてさて
“私がミステリを愛するのは、そこに必ず答えがあるからなのだと思います”〈あとがき〉に記される加納朋子さんの”身近なミステリー”の醍醐味を味わえるこの作品。そこには、凝った構成の先に描かれる入江駒子の物語がありました。駒子が書き下ろす比喩表現に満ち溢れた小説が読めるこの作品。そんな小説の種明かしを瀬尾の感想でまとめるという絶妙な構成を楽しめるこの作品。”学園もの”として楽しめ、時代感をも楽しめ、そして”身近なミステリー”としても楽しめるこの作品。加納さんの今に続くミステリー作家の原点の一つを見た作品でした。
2023/06/29
hiro
『ななつのこ』に続いて加納作品2作目。前作は作中作の『ななつのこものがたり』がつなぐ日常ミステリーの連作短編集だったが、今作は誰かから届いた手紙がつなぐ4編の連作短編集。『ななつのこ』を読んであと、『ビブリア』や『古典部』などの色々な人気の日常ミステリー作品を読んだので、前作とは変化をつけたとはいえ、中盤までは正直物足りなさを感じた。しかし最終章では、それまで仕掛けられた伏線の回収を楽しむことができた。駒子と瀬尾、友達とのその後を見て見たいので、続けて駒子シリーズの最三作『スペース』を読んでみようと思う。
2012/09/29
ユメ
『ななつのこ』では駒子の書く手紙に、今度は彼女の綴る物語に夢中になった。駒子の観察眼は実に繊細なのである。日常に佇む謎を見つけ出すだけではなく、私が日々感じてもそのままやり過ごしてしまうような心情を、ちゃんと掴まえて言葉に載せてくれる。瀬尾さんの見事な推理力は、空想力すなわち「空を想う力」なのだという。彼と駒子に共通する、ロマンチックな夢を見続けていたいと願う心も、私がこのシリーズに惹かれる理由の一つかもしれない。二人が紡ぐ物語を読んでいると、都会の空にも星があることを見つけた時のような安心感があるのだ。
2015/06/04
kishikan
前作の「ななつのこ」が構成や文章共に印象に残る作品だったので、続編も手にしました。瀬尾さんへの手紙、駒子さんの書くミステリ?小説、瀬尾さんからの謎解きの手紙という構成は今回も同じですが、駒子さんの学生生活も描かれそれがまた楽しい。今回の特徴は、各編の最後にミステリアスな「誰かからの手紙」が加わっていること。そして、各編独立した話になってはいるものの、どこかで関連付けられ、そのこの手紙が最後の物語の謎のキイになっているということです。今回もちょっぴり切ないけど、楽しさと優しさにあふれた素敵な物語でした。
2012/02/15
ダイ@2019.11.2~一時休止
駒子その2。短編集。日常の謎。駒子の手紙に潜む謎に対して瀬尾の解釈って感じが面白かった。
2014/09/17
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