落ちる (創元推理文庫 M た 2-5)
落ちる (創元推理文庫 M た 2-5) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
直木賞】恐怖小説、推理小説、犯罪小説。短編集。「落ちる」昭和31年度宝石懸賞入選作。主人公と妻の佐久子と医者の長峰、「ある脅迫」昭和33年宝石発表、「笑う男」昭和33年宝石。「私は死んでいる」江戸川乱歩賞受賞後発表第一作ほか。主人公は暗いか、恐いか、冷静か。
2014/08/22
遥かなる想い
第40回(昭和33年度下半期) 直木賞受賞。 自己破壊の衝動にかられる男の 壊れた内面を描く表題作を 含む推理短編集。この短編集、一貫して心が 壊れた人物が登場するのが ある意味面白い。また初期短編集であるためか、 昭和30年代の風景が多く、トリックはひどく素朴で逆に内面推理が多い。 現実から大きく解離した 思い込みから脱却できない人間を 推理小説の中でややシニカルに 描いているが、現代と共通する 部分は多い気がする。 犯罪の影に潜む女性の立ち振舞いが 慎み深く、古風なのは著者の好みの 反映なのだろうか。
2013/10/27
ウメ
粒ぞろいの短編集。昭和のレトロな雰囲気がただよう。心を病んだ登場人物が多いせいか一筋縄ではいかない結末が多い。幾度となく背筋が寒くなる。やはり人は性悪説で成り立つのか。人間不信を増長させる。
2017/04/18
LIAN
多岐川恭初読。 昭和の小説家として名前は見知っていたが、作品を手に取ったのは初めて。 静かな語り口で、人の悪意・苦悩を描く秀逸な作品集。心理描写が細やかで、日常の事件がリアリティを誘う。旧さがまた良いスパイスとなり、何度も読み返したくなる。
2010/09/06
Hula
★★★★☆ 直木賞(第40回 昭和33年)
2015/12/16
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