新・夢十夜 (創元推理文庫 M あ 4-6)
新・夢十夜 (創元推理文庫 M あ 4-6) / 感想・レビュー
miri
漱石の夢十夜にインスパイアされた、夢がテーマの短編集。芦原すなおは何作か読んでいて、優しくさっぱりした作風に触れていましたが、こちらは優しさの中に薄気味悪さも感じる語り口。人間が実際に見る夢は、友人であったり同僚であったり、身近な人間が登場することが多いそうですが、この作品は奇妙で正体のわからぬ者が登場。夢の中で夢を見ていたり、時間の流れも飛び越えてみたり。夢の世界は連想が次々と繋がって、そのうち境を飛び越えてあの世とも繋がってしまうのでしょうかね。
2020/12/24
みっつ
夏目漱石「夢十夜」にインスパイアされた短編集。夢と現が入り乱れ、過去や現在、未来までもが交錯する眩暈を伴う作品ばかり。救えない結末も多く「ミミズクとオリーブ」シリーズの印象が強いだけに異色の味わい。だけど読む手は止まらず。「てんまる」「さつき闇」「ぎんなん」と好みの短編も多かったが、お気に入りは「猫回し」でした。妙な味わいのある、おじさんと猫のコンビのやり取り、この作品ならではの展開と素晴らしい出来だと思う。かっ。
2010/08/19
KAZOO
夏目漱石の夢十夜に触発されて書いてくれたのでしょうが、漱石と比較してしまうとやや長い感じがしました。話自体は結構さまざまなジャンルでの夢に関する物語となっていて飽きさせません。
2013/12/31
舟江
漱石の「夢十夜」の続編ではないかと手に取った。よりリアルに表現された分、情緒が無くなった。大作家先生の続編というのは、中々難しいものがあると思う。
2017/02/06
LIAN
真夏の夜の夢はどことなく恐ろしい。寝苦しい季節、やっと寝付いたかと思えば夢に起こされることがあるが、醒めて今の毎日に戻る事が出来るのは幸せだ。そう思える夢10篇であった。“夢にも思わない”という表現を使うことがあるが、もしかしたらいつか夢でみていたのかもしれない。
2010/08/25
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