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狂乱廿四孝/双蝶闇草子 (創元推理文庫)

狂乱廿四孝/双蝶闇草子 (創元推理文庫)

狂乱廿四孝/双蝶闇草子 (創元推理文庫)

作家
北森鴻
出版社
東京創元社
発売日
2016-10-29
ISBN
9784488434120
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狂乱廿四孝/双蝶闇草子 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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buchipanda3

幕末から明治に名を馳せた女形・澤村田之助(三世)と絵師・河鍋暁斎(狂斎)という二人の実在の表現者をモチーフにしたミステリ。どちらもその人生や生み出したものに妖しげな魅惑を感じる。「狂乱廿四孝」は狂斎による老婆の幽霊絵に込められた謎掛けがメインで田之太夫がどう絡むのかがカギ。当時の歌舞伎界が醸し出す雰囲気も含めて史実と虚構を上手く掛け合わせた仕掛けが見事。「双蝶闇草子」はその続編だが未完の作。現代の事件と併走して描かれ、歌舞伎の演目に見立てた二重謎解きとなる。三部作を予定していたそうで続きを読みたかった。

2020/10/28

KAZOO

北森さんのデビュー作とこれも絶筆となった作品がシリーズものとして1冊に収められています。デビュー作は昔読んだのですが今読み返してみてもよくまあこれだけ調べられたなあと思います。絶筆の方は、あとがきを書かれていていくつか未完作品を完成させた浅野さんが書かれているのですがこれを完成させるのは難しいのでしょうね。未完の作品は過去と現在を行ったり来たりする話で、かなり面白い作品だと思います。

2024/08/22

yu

Kindleにて読了。 北森さんの凄さを体感できる一冊。江戸から明治にかけての、時代の変化に満ちた世界。歌舞伎の世界で、脱疽という病に侵され、手足を失いながらも役者として生き抜こうとする田之太夫。主人公は蝋燭問屋の娘ながら、戯作の世界に身を投じるお峯。何より「双蝶闇草子」が未完で、この先を読めないという無念さが、歯がゆくてならない。北森さんの頭の中では、一体どんな三部作がイメージされていたのか。そちらの世界で、是非完成させておいてください。肉体亡き後に、続きが読める事を楽しみにしております。

2017/07/04

シキモリ

明治初頭の歌舞伎界を舞台に幽霊画を発端とする連続殺人が勃発―。この粗筋だけで既に面白そうな要素がてんこ盛り。江戸情緒の残り火が醸す情景や活き活きとした登場人物達が魅力的でこれだけでも十分に楽しめるが、肝心なミステリーの謎解きも健在で贅沢この上ない。トリックに多少の強引さは感じたが、デビュー作でこのクオリティとは恐れ入る。澤村田之助という悲劇の役者についてより知りたくなった。著者の急逝により、過去と原題が交信するタイムパラドックス的設定の続編が未完のまま収録なのが残念。著者の作品をもっと読んでみたくなった。

2020/05/03

小梅さん。

久々の北森さん。 『狂乱廿四考』は、未読だったので、未完とはいえ続編とセットでの出版にいそいそと。 カリスマ的な役者である田之助。実在の役者さんなのね。 両手足を病で失うなんて、どれほどの苦衷をなめたのか。 そんな田之助の周囲で続けざまに起こる事件。 探偵役のお峯ちゃんが可愛い。 その他、魯文など実在の人物が生き生きと描かれているのもいい。 事件の真相が、なんとも悲しくてやりきれない。

2016/11/09

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