ドアの向こうに (創元推理文庫)
ドアの向こうに (創元推理文庫) / 感想・レビュー
セウテス
【大阪府警シリーズ】第6弾。今回の主役はブンと総長。橋の工事現場から、衣装ケースに入ったバラバラ死体が発見される。不思議な事に、頭部は腐敗しているのに足はミイラ化している。後日起こる心中事件、密室トリックの謎を如何に解くのか。あとがきにも書かれているが、本シリーズの凄い魅力は警察捜査小説なのに、キッカリとした謎解きミステリである事。更に本作では後半犯人対刑事らの、いわゆる刑事コロンボの如し倒叙ミステリの様な、知恵比べが展開される事だ。彼らの個性や会話の愉しさ、バランス良い傑作だと思う。
2020/12/17
タイ子
大坂府警の刑事、総長とブンちゃんコンビシリーズ。事件はバラバラ死体に心中事件とか重い内容だけど、軽妙に読ませるのはやはりこの2人の掛け合いの面白さでしょうね。そこに今回京都出身の五十嵐刑事が加わったものだから、京都と大坂の京阪合戦みたいな面白さ。久しぶりに本格的な密室殺人を読んだ気がして、それをコツコツと足で捜査、推理していく刑事たちの矜持がたまらない。そして、最後にピタリとパズルのハマるがごとく気持ち良さ。たまらん!この面白さは黒川さんならではのもの。
2020/02/06
キムチ
関西在住で👌と思うのは「じっくり」黒川博行に浸っている時。家・仕事場・移動先が存分に登場する為「情景のリアル感・臨場感」が半端ない。 ブンと総長、絡む五十嵐のやり取りはリズミカル 心にビンビン。 キーワードは炬燵の三角金具と酒粕。建築家の1989当時といやぁ、バブリーの頂点。ヒエラルヒーや公共工事の受注事情はなかなか。美原で阪和道工事中に?と思ったのはこの作品、当時の執筆の為かぁ。このボリュームで詰め込み満載。きっかけも含めて縺れ糸をほぐしていく過程にワクワク。 黒川作品はいうなれば「けつねうどん」
2020/12/07
papako
大阪府警シリーズ。ブン&総長コンビふたたび。今回は京都大好き五十嵐という後輩が加わり、大阪VS京都という対立構図がおまけ。ばらばら死体が建築現場から見つかった。そして無理心中現場からばらばら死体の新聞記事が見つかり。。。今回も面白く読めました。今回は総長の推理が冴え渡ります。ブンの婚約者で総長の娘ナイスアシスト。犯行は不運な偶然からの始まりで、結果はお決まりですが、京都の人間はそんなに露骨に大阪をバカにしないと思うのもっと陰湿です。もっとイヤミです。
2016/10/16
GAKU
大阪府警シリーズ第6作目。初出は30年以上前の作品。『疫病神シリーズ』、『堀内・伊達シリーズ』のハードボイルドタッチの人気シリーズと違い、どちらかと言うと謎解き主体のミステリー小説。軽くサラッと読めました。
2022/09/12
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