蠅男 (名探偵帆村荘六の事件簿2) (創元推理文庫)
蠅男 (名探偵帆村荘六の事件簿2) (創元推理文庫) / 感想・レビュー
geshi
『蠅男』グレート大阪で展開される神出鬼没の怪人と名探偵の対決。今では出来ない荒唐無稽と外連味と怪しさ。たま~にならこういう怪奇探偵冒険活劇もアリ。幕切れが名探偵を万歳で見送るなんて、牧歌的だなぁ。『暗号数字』作者の虫食い算趣味が前面に出た作品。動機が時代を反映している。『街の探偵』科学ミステリショートショート2つをくっつけた作品。『千早館の迷路』名探偵と美女の迷宮での冒険。帆村探偵浮気じゃ…。『断層顔』昭和20年代の考える未来像が興味深い。科学力が進んでいる所とアナログが残っている所のアンバランスの妙味。
2017/09/09
Akihiro Nishio
学生のお勧め本。作者は日本のSFの先駆者と呼ばれているらしい。長編の表題作と4本の短編。表題作は私立探偵が主人公で密室殺人で始まるので真面目にトリックを予想しながら読んでいたが、途中から怪人相手の冒険活劇へと変貌し、驚愕する。江戸川乱歩に近い。短編のラストは昭和52年(!)という近未来が舞台で、火星探検家と物質転送装置が登場。しかし、このノリは嫌いじゃない。
2017/12/23
じゅむろりん
探偵帆村荘六シリーズ第2弾。当時の科学知識を駆使してても今読めばノスタルジック。活弁士のナレーションがぴったりと合う雰囲気の昭和テイストです。「怪奇」「惨劇」等おどろおどろしい表現の割には小学生でも読めてしまうので、昔小学校の図書室にあった少年探偵団シリーズを思い出しました。しかし装丁の蝿男はなぜ三輪車に?(笑)
2017/03/11
yuri_azucena
あまり前知識もなく海野十三、帆村荘六シリーズ初読。表題作「蝿男」は舞台となる土地が関西のわりと馴染みのある場所だったのでその描写も楽しく読みました。が、トリック、そして蝿男の正体はなんとそうくるか…という。ここまでSF色の強い作家とは知らず、楽しい驚きでした。ラスト「断層顔」はまさに近未来・SF作品。収録作品がどれも戦前の作品とは思えない瑞々しさ。帆村のキャラクターも、完璧でない人間味のある男でおもしろい。
2019/02/26
Ribes triste
名探偵帆村荘六、再び。怪人蠅男の登場は、「怪奇大作戦」ファンの私にはたまらない一冊でした。巻末の「断層顔」で、海野さんが想像した未来の日本がなんとも良いです。
2016/10/22
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