強欲な羊 (創元推理文庫)
強欲な羊 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
nobby
読友さんレビューから妙に気になり手を取った一冊。まずは妖しくゾワゾワな雰囲気を堪能、そして先が気になりページをめくり最後に感じる女性の恐怖。何となく真実っぽいのは見えるんだけど、最後にはアッと言わされる短編5編。その中でもタイトルな『強欲な羊』が一番ゾッとした…『ストックホルムな羊』は読んでる時には訳分からないがトリック知ると笑うしかない。最後の『生贄の羊』で全話リンクするけどちょっと分かりにくい。ズズッ、ズリッ、ダン!って怖すぎる…
2015/11/04
hnzwd
羊をテーマとした連作イヤミス短編集。表題作の強欲な羊をはじめ、一体誰が『羊』なのかを考えさせつつ、一話ごとに決まるどんでん返しがいい感じに嫌な気分にさせてくれます。最終話の生贄の羊でホラーの色が濃くなりますが、、短編集としての繋がりを感じさせる構成は素敵でした。順番が上手いんだなー。
2015/08/10
徒花
まあまあ。長編かと思ったら、「羊」という言葉がいずれのタイトルにも入っている短編がいくつか収録されていた。後味が悪い「イヤミス」に分類されるみたいだけど、ミステリーというほど謎があるわけでもなく、どちらかというとサイコサスペンスといったほうが適切かも。でもこういうどんでん返しはどうても一定のパターンがあるので、なんとなくオチが読めてしまうものも多い。基本的に、女性の怖さみたいなものが通底している。雰囲気は悪くないけど、たまに文章に違和感がある。
2020/06/07
優希
ホラー風味の強いイヤミスでした。羊をキーワードにした歪みと悪意に満ちた響宴が繰り広げられています。展開がうっすらと想像できるのに怖さがあるだけでなく、狂気の世界の中でもがくような感覚にさせられます。耽美だけれど穢れがあるダークな世界観。まんまとやられました。
2016/03/02
かりさ
羊をモチーフにしたミステリ。いや、イヤミス?いやいや、ホラー?な色合いが彩られた短編集。ぞわそわ鳥肌が泡立つような感覚がたまらなく面白かったです。全部分かって仕舞えばなるほど〜なのですが、そこに至るまでの見事な騙されっぷりがやられた!の爽快感と共にやってくるので大変読み応えがありました。表題作でもある雰囲気たっぷりな「強欲な羊」は時代背景、世界観共に素晴らしくここから羊の館に誘われ出口の見えない恐怖に慄くことになります。見事な展開「ストックホルムの羊」、凄まじき「生贄の羊」もお気に入り。騙され感爽快です。
2016/04/29
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