捕食 (創元推理文庫)
捕食 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
アッシュ姉
単行本『ハナカマキリの祈り』改題文庫化。捕食者に気づかれぬよう、ハナカマキリのように紛れ込んでしまった方がいい。そうアドバイスをして、トラウマを抱えて心を閉ざす真尋と親しくなったいづみ。彼女と一緒なら明るい未来が想像できる、そう信じていたのに不穏な出来事が重なり、いづみへの信頼が揺らいでいく。先が気になり一気読みできる面白さはあるものの、なるほどこのパターンかといじわるく思ってしまい、目新しさは感じられなかったのがちょっと残念。いろいろ盛りすぎたところもあり、パンチに欠けたようで勿体ない。
2022/06/10
ピロ麻呂
「ハナカマキリの祈り」の改題作品。「強欲な羊」の美輪和音さん…だけど僕にはちょっと期待ハズレ(^_^;)いづみの正体が段々わかってくる…まではおもしろいんだけど、不幸すぎる真尋やら、偶然すぎる出会いやら、またネロが出てきたり、最後はゴチャゴチャしすぎのような…
2017/09/13
カムイ
美輪和音のミステリーは独特な雰囲気があり読み出したら先が気になり時間を忘れてしまう。今回は如何にもな登場人物のいずみが胡散臭い振る舞いにやっぱりだなぁと真尋もドンクサイ面があるが弱っている時にスルリと入られていく様は作者の得意な部分である。徐々に明らかなになるいずみの実態は恐怖感にあてられる。作中に昆虫の蛹の変態に言及していたのが其を想像すると、夏の読書としては背筋にうっすらと冷や汗をかいてしまうミステリーではあるがホラーとしても楽しめる一冊であった最後ははて?これはどちらなのか?カムイはハッピーエンド→
2024/08/24
よっち
つらい過去があり男性が苦手な真尋と、彼女と知り合い急速に距離を縮めるいづみ。彼女と一緒なら自分は変われると信じていたはずの真尋に不審が芽生え、いづみの謎多き過去を追うサスペンスミステリ。過去を追う過程で明らかになってゆく、似た境遇だった彼女の選択とその周囲で姿を消してしまった人たち。何かあるたびにハナカマキリのように脱皮を繰り返してきた彼女がなり得たものは何だったのか。やや詰め込み過ぎた感もありましたが、ぐいぐい読ませる展開の末に迎えるいろいろ想像できてしまうエピローグは、この物語らしい結末に思えました。
2017/09/28
hideko
作家さん買い。 昔、ある事件に巻き込まれたことにより心にトラウマを抱える真尋。過去の事件のフラッシュバックにより具合いが悪くなった真尋を助けたのは矢向いづみという女性だった。2人は急速に仲良くなってゆくが… 真尋が「彼女」の過去を辿っていく過程はページをめくる手が止められなかった。何人の人物と関わっているのか。相関図を書きたくなった。加地の部屋で「彼女」が死体解体作業を嬉々としてやっている姿を覗き見ている真尋に完全に同化してしまった。 最後の真尋(彼女?)の語り。えっ?そうなの?
2017/12/19
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