殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)
殺人喜劇の13人 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
W-G
ずっと縁がなかった芦辺作品を遂に初読。感想としては、THE 鮎川哲也賞。鮎川賞受賞にのみ特化して書かれたような作品。それは裏を返せば物凄く濃密な本格だという事でもありますが、美味しさや調和を考えず、CoCo壱のカレーに好きなトッピングを取り敢えず全部追加して、味云々はおいといて気持ちは満足、みたいな濃さです。個々のトッピングにはあまり目を惹く物は無いかもしれませんが、私自身は美味しく頂けました。普段、推理しながら読み進めるタイプでは無いのですが、枕の殺人の真相だけ一瞬で見抜けた自分に自己嫌悪。
オーウェン
探偵森江春策初登場の作品。 大学生として生活している中で、共同で住む泥濘荘である夜殺人が。 その後も殺人は連続で続いていき、その経緯をまとめた本を残した親友のため、森江春策は事件解決に臨む。 本格ミステリをなぞるので、暗号や時刻表がポイントになり、1部で十沼が残した13のキーワードが解決の鍵に。 話としては無駄に長いきらいがあるし、1990年刊行なので知らない話題の部分もある。 でもミステリとしては成立しているし、今後職業を変えていく森江春策の探偵ぶりも初々しい。
2022/01/19
みっぴー
第一回鮎川哲也賞。登場人物が多すぎて、名前も覚えにくく、特徴も無いため、何度もページを行ったり来たりでストレスが。。。『泥濘荘』の入居者が次々と死んでいく連続殺人もの。一人称語りがなんとなく不自然で、なかなか物語に入っていけず、探偵が登場するのは終盤。勢いはありますが、盛り込みすぎて消化不良気味な印象でした。一言で言うなら雑。ミステリに対する情熱は感じるんですが。とりあえず時刻表トリックに挑戦しとけば、鮎川哲也賞をとれるのかも(笑)
2017/10/29
みつ
再読。30年近く前、図書館で単行本を借りて読んだ際は、正月の最後までかかって読み終え、ひどく索漠とした気分に襲われたことを思い出す。結局、同じ時期に手を出してしまった。末尾以外すべて忘れていた物語は、大学生のサークル内で次々と人が死に、その中に、列車時刻表によるアリバイ、密室、暗号めいたメッセージなど、いわゆる本格ものの要素が満載。「喜劇」と銘打っただけあって、人の死すらカーニバル的な高揚感に取り込まれる。祭りの後、就職セミナーが開催される学内での探偵へのメッセージは、「本格」ヲタクへの痛罵に他ならない。
2023/01/01
ハゲおやじ
初読みの作家。東川篤哉に似た感じではあるが、ちょっとくどい感じのボケが連続している(と思う)。人がバタバタと同じ建物の中で死んで行くのは不思議な感じ。そんな中、終盤の展開(特に最後に殺された人)には驚かされる。そして、犯人とその関係者が明確になる過程は 唸ってしまう。…って でも ちょっと長いかなぁ。犯人や省子が どうなったのか?は、気になるね。この作家は、こんな感じのミステリーなのかな? 次 どうしよう…。
2023/10/16
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