卒業したら教室で (創元推理文庫)
卒業したら教室で (創元推理文庫) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
こんなミステリは前代未聞かもしれない。学園ものというジャンルを超えて読者を驚かせてくれる。前作から5年が過ぎているが、作品世界は、柳瀬さんの卒業を目前に、例によって葉山くんがふりまわされていく。パターンを破って挿入される異世界の物語と、何と12年後の葉山とミノ。これにはとまどったが、有機的に謎とからんでいくところがすごい。どうやったらこんなことを思いつくのか、最初から作者がもくろんでいたのか、と感心。これはシリーズ中でも最高の作品かもしれない。そしてこういうことがミステリ、いや小説には可能なのだと。
2021/04/27
NADIA
市立高校シリーズ8作目。12年後の未来より、主人公の葉山くんと親友のミノがリモートで当時の仲間の誰かが書いたファンタジー小説を読みながら振り返るあの事件。市立高校八番目の七不思議「兼坂(んねさか)さん」。まあ、部室の密室とかはどうでもいいけど(^^;、「卒業」シーズンの独特の感傷がいい。作中作のファンタジーも面白かった。ただ、あの似鳥さん風のユーモアたっぷりのまえがきがその作者のイメージとずれているようにと感じるけど。伊神さん、とうとう扱いが人間ですらなくなってきた(笑) ちなみに卒業するのは柳瀬さん。
2021/08/21
papako
シリーズ続きもの読む祭。作者のデビュー作シリーズのこちら。一区切りの一冊ですね。作中作、高校時代、そして12年後の未来の3つのシーンで進む。相変わらずの謎事件。伊神さんの役割が明らかにされ、バトンを渡される葉山くん。そして柳瀬さんいよいよ卒業。そっか、私は葉山くんの気持ちをわかっていなかったな。兼坂さん事件の謎、作中作の作者は誰?『うちの人』だって。にやけちゃう。さてさて次もあるのかしら?葉山くん編突入ですね。しかし再読したくなっちゃいますね。結構ボリュームあるし。。。
2021/09/13
kk
これまでとは一味違った趣向で、いろんな意味で楽しかったです。プロットはちょっとアレかもしれませんが、ストーリー的には青春だ!って感じで良かったです。「市立高校シリーズ」大好きです。
2021/03/21
オーウェン
市立高校シリーズ8作目。今作はまるで集大成のように、柳瀬さんの卒業式に合わせた8つ目の謎が。七不思議はこれまでのシリーズで描かれてきたが、そこに付随する謎。いつものように伊神さんが手助けするが、そこに葉山も一枚絡む。だがそれらはある目的のためというラストによって、1作目からすべては繋がっている出来事を知る。ファンタジーに加えて、12年後の葉山とミノの描写も有り。そして柳瀬さんと、めぐり合わせる人物の儚い想い。シリーズはまだ続くようだけど、葉山にとって謎の意味合いは大きく変わってくるはずだ。
2021/05/25
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