怪異筆録者 (創元推理文庫 M お 6-13)
怪異筆録者 (創元推理文庫 M お 6-13) / 感想・レビュー
sin
ホラーなのだろうか?『ダンウィッチの怪』のオマージュ作品である菊地秀行『妖戦地帯』に登場する邪神のような旧き神の顕現からはクトゥルフ神話を連想させるが、これは本邦のダークファンタシーだと思うのだがどうだろう?人生に見放されて怪異に翻弄される頼りない主人公…その作風は夢と生真面目から離れられない崖っぷちの作家…彼の行き当たりばったりの行動が怪異を招き、その怪異が怪異に繋がっていく…何事にも受け身で後向きな彼は果たして旧き神の復活を防ぐことが出来るのだろうか!?
2024/03/08
とろこ
読み始めて、主人公の独特な名前に見覚えがあると気付いた。もう少し読み進めて、登場してくる他のキャラの記憶もうっすらと蘇った。こ、これは…。『優しい幽霊たちの遁走曲(フーガ)』の文庫化改題版ではないですか!と途中で気付いたけれど、ラストを忘れていたので最後まで読んだ。ホラーなのに怖くない。むしろ、個人的にはドタバタ喜劇・ユーモア小説として読めた。主人公の性格や小説の構造も読み手によって好き嫌いが分かれるタイプかと思う。ガチガチのホラーではないので、ホラーが苦手な人でも読めると思う。
2022/01/25
ワッピー
そろそろ限界の見えてきたホラー作家・津久田舞々は、地方の町に移り住み、そこを舞台とした作品を書くという胡散臭い依頼を引き受けてしまう。町のかつての名士・片喰鐵山邸に住み込んだ初日からやることなすことツボにはまって、小気味いいほどに妖しげなものを引き寄せていく津久田に、依頼主の町長は怒るどころか、機嫌上々。津久田を翻弄するモノたちの正体は?そして地底に封じ込められた恐ろしき存在とは?悪夢がつなぐ土俗と禁術の 目眩く時空迷宮とメタな展開にクラクラしながら読み終えました。宿少シリーズから20年ぶりの再会でした。
2024/05/24
くろねこ
出だしの駅の描写がじわじわと不吉さを誘ってとても好みな始まり。。 ただ読み進めると、各章で主人公が封印から解き放つのはユーモラスな怪異たちで思ってたホラーではなかったのだけど…でも不思議な民話のようで良かった。。
2022/07/04
ゆう
ホラー作家の津久田の元に来た「滞在して町のことを書き残してほしい」という依頼。初日から怪奇現象に見舞われ、町の異常さを知っていく。どこまでが現実でどこまでが夢か空想か分からなくて、なんだかもう読んでいてフワフワしてしまう。
2022/04/03
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