ねじまき片想い (創元推理文庫)
ねじまき片想い (創元推理文庫) / 感想・レビュー
さてさて
『自分の心にねじを巻いてくれるのは、自分だけよ』。そんな言葉で自分自身を励まし、圧倒的な推進力としていく宝子。そんな宝子が天賦の才能とも言える発想力を武器に、推理をし、解決方法を見い出し、行動に移していく姿を描いていくこの作品。そこには宝子が人知れず孤軍奮闘する健気な姿が描かれていました。あまりにコミカルに描かれていく物語に気分が高まるこの作品。それでいて最初から最後までぐいぐい読ませる圧倒的な推進力に舌を巻くこの作品。私が柚木麻子さんという作家さんに期待する全てがここにある!まさに、傑作だと思いました。
2024/03/29
馨
単なる片思い小説かと思いながら読みましたが柚木さんにかかるとひと味違ってお仕事小説でもあるし、謎解きまで入っていて楽しく読めました。玩具を企画する仕事の大変さも勉強になりました。私には最後まで西島さんの良さがわかりませんでした。主人公宝子も、最初はあまり好きではなかったですがひたむきに謎解きしたり西島さんのピンチを影で救ったりするうちにカッコいい女性に思えました。個人的に玲奈が1番好きで、彼女には幸せになってほしいと思いました。
2018/08/29
SJW
老舗おもちゃ会社に勤めるヒットメーカーのプランナー 富田宝子は、取引先のデザイナー西島に5年も片想いをしていて気持ちを伝えられない。西島の周りで起こる様々な事件を宝子が解決していくが、自分で心にねじを巻き続けることに気がつくと意外な展開となる女同士の友情と片想いがテーマの恋愛・日常ミステリー小説。ドラマ「ロングバケーション」を意識して、隅田川から話が始まりロンドンで終わるが、実際のドラマではボストンで終わるはず。
2020/09/02
hit4papa
おもちゃ会社の名プランナーの女子が、片想いの冴えないデザイナーのために様々な問題を解決する連作短編集です。これぞ「片想い探偵」!となる、著者には珍しいミステリ仕立て。次々に降りかかる片想いの彼のピンチを救うのは、主人公の独創的なアイディア。周知の五年に渡るアツい想いに気づかないのは、愛しい彼のみという、良い意味でイライラする展開です。主人公の頑張りで、果たして彼女の恋は成就するのでしょうか。デキ過ぎ女子の辿り着いた結論は!清々しくもあるラストの余韻がとっても良いのです。成長物語としても楽しめます。
2021/03/31
エドワード
浅草にある大手玩具会社の玩具プランナー宝子は、フリーのデザイナー・西島に片想い。彼女の片想いは職場でバレバレ。みんな応援しているんだけど、結局自分が行動しなければ進まない。「自分でねじをまかなきゃ!」題名の意味がわかったよ。宝子の奮戦、犯罪を解決したり、西島の宝物を奪還したり、何かと人助けになる。スカイツリーに花やしき、浅草いいネ!東京の西南部に住んでいた私には浅草はいつも行楽地だった。企画室の遊び心を忘れない面々、美少女トリックスター玲奈にもドキッ!宝子、玲奈、西島、最後のメリーゴーラウンドがステキ。
2018/07/13
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