怪奇小説傑作集 4 (創元推理文庫 501-4)
怪奇小説傑作集 4 (創元推理文庫 501-4) / 感想・レビュー
KAZOO
この本はフランス文学幻想文学集にしたほうが似合うような感じがします。確かに怪奇小説もあるのですがそれに囚われないでしかも名だたるフランス文学者が書かれていて、訳者がまた澁澤龍彦・青柳瑞穂という名だたる大家です。これを読んでいると英米よりもフランスでのほうが乱歩が読まれているわけがわかるような気がしました。
2014/04/06
Нелли(ネリ)
フランス篇、見事なまでに全然怖くない。その辺は解説でも散々書かれていて、"恐怖や幻想の、非論理の蒙昧主義が入りこむ余地はない"とかいう文章を見ると私がフランス文学をなんとなく苦手にしている理由もわかろうというもの。それはそれとして、『草叢のダイヤモンド』とか『最初の舞踏会』とか、暗がりのなかぼんやりと照らし出された詩編のような作品群はなかなかに素敵だ。怪奇ではないと思うけど。
2018/04/19
もっち
読んでいて「怖い」と思うのはメリメ『シャルル十一世の幻覚』ロラン『仮面の孔』トロワイヤ『自転車の怪』(これはベタな怪談だけど)くらいで、後は基本的に怖くはない とはいえ、キャラが立ち過ぎてもはやコメディなノディエ、ホラ話的なアレやカリントン、幻想ですらないけどヒロインと夫人が強烈なドルヴィリ、その他諸々、粒揃いの短編集なのは間違いない
2014/06/22
氷沼
仏の怪奇小説は英・独のそれとは違った味を持ち、まるで人間の奥に潜む「悪意」を拾い上げたような、独特な趣をもった作品が多かった。 特に面白かったのは、再読ながら「ロドリグあるいは呪縛の塔」「手」、「仮面の孔」「草叢のダイヤモンド」「死女の恋」「フルートとハープ」あたりですかね。
2014/01/08
madhatter
再読。解説にもあるが、全体的に「恐怖」に真っ向から取り組んだ作品は少ない。斯様な作品中印象的だったのは、これも怖い作品ではないが「最初の舞踏会」だった。著者がシュルレアリスムの女性作家であるせいか、ありえないことを平然と物語に組み込んでしまっているあたりが面白い(畜生は所詮畜生であったというオチも)。ただ、その一方で、主人公の気持ちはわからないではなかったりする。確かにスウィフト読んでる方が気が利いてるよな。
2012/07/24
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