ポオ詩と詩論 (創元推理文庫 522-5)
ポオ詩と詩論 (創元推理文庫 522-5) / 感想・レビュー
KAZOO
ポオを読み直す一環でこの最後の「詩と評論」はやはり良かったと思います。詩はいいのですが、すべてが福永武彦訳ではありません。「鴉」は彼の訳ですが。また「ユリイカ」をはじめとした詩の評論がいい作品だと感じました。
2017/02/20
KAZOO
ポオのすべての詩が収められています。これを読んで感じたのはやはり言葉の天才ということが感じられることです。これだけの言葉がよく出てくるなあと感じいる次第です。かなり難しい言葉なども多用されていて考えるだけで大変です。本当は感性で感じなければいけないのでしょうが、そこらへんは原文で将来感じたいと思います。評論はわたしには難しすぎましたが、「ユリイカ」は結構天文学的な観点もあって比較的楽しく読むことができました。
2013/09/22
おにく
怪奇や幻想だけではない、ポオの違った魅力を知りたくて手に取りました。詩のことは詳しくありませんが、散文詩は以前萩原朔太郎氏の“猫町”を読んで、自由で伸びやかな詩の形態を面白いと感じていたので、何度も読み返しながら、ポオの豊富な表現や言葉の選び方を楽しみました。それでも“ユリイカ”はお手上げで、ポオが解釈した宇宙論は、長い前置きと回りくどい書き方でさっぱり頭に入って来ませんでした。
2015/01/09
月
詩63篇<福永武彦訳・入沢康夫訳>、詩論3篇<構成の原理・詩の原理・ユリイカ>収録。福永訳の10篇は、彼の象牙集にもそのまま収められている。本書で印象深いのは、詩論の3篇。構成の原理では、「鴉」の構成(詩作の手順)が詩人自身の手によって語られており、詩の原理では、数人の詩人たちの詩をもとにその原理を語る。ユリイカでは、散文詩というサブタイトルとともに物質的宇宙ならびに精神的宇宙についての論考という副題のもと、壮大な宇宙論が語られている(ワレ発見セリ)。牧野信一と小川和夫の共訳。読み応えのある一冊だった。
2016/05/20
SIGERU
ついに、ポオ「ユリイカ」を読了!これを以て、評論や書簡まで含めたポオの総てをコンプリートしたことになる。実を云えば、ユリイカはずっと手元に置いてあり、いつでも読める状態だったが、子供のころから鐘愛し続けたポオを読み終えてしまうのが惜しくて、ずっと保留していたのだ。これでポオも、チェーホフ、梶井基次郎、コーネル・ウールリッチと共に、断簡零墨までを読破した作家の一人となった。感慨無量。エドガー・アラン・ポオよ、積年に亙る読書の愉しみをありがとう。さらに、ミステリを発明してくれてありがとう。
2017/11/03
感想・レビューをもっと見る