M・R・ジェイムズ怪談全集 1 (創元推理文庫 F シ 2-2)
M・R・ジェイムズ怪談全集 1 (創元推理文庫 F シ 2-2) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
天涯孤独の孤児エリオットが年上の従兄アブ二―氏に引き取られる。彼は異端信仰の噂があり、これまでに2人の孤児を引き取ったにも関わらず、いずこともなく姿を消していた。ほら、ここまでで怪しいって思いますでしょ?なのに家人は「あんなに良くしてやったのにいなくなって恩知らずだ」といなくなった孤児を責めるばかり。そしてある夜(ほら、夜っていうのがアヤシイ)エリオットは誰にも言わずに部屋に来てくれと言われ…。 「消えた心臓Lost Hearts」
2020/07/06
藤月はな(灯れ松明の火)
因縁深い場所で現実に起こる怪異とその因縁との符合はやはり、どこの国であってもゾクリと来ます。しかし、キリスト教色が強い怪異はどちらかというとピンと来なかったかな。
2013/07/08
Kouro-hou
1900年代初頭の古き良き古典怪談その1。ヘンリーでないジェイムズな著者は博物館長や大学学長を勤めたインテリであり、自作の怪談を物好き仲間に語り聞かせる好事家であった。語る事に比重があったためか、話は短く起承転結のバランスが良い印象があります。大変表現も上品でお子様も安心。現代となっては怖くない話が多いですが、もしかしたら語りのテクニックも合わせて評価される物なのかもしれません。「十三号室」「銅版画」、志村うしろー!な話と思いきや、アレに気づいてしまった後半が可哀想な「マグナス伯爵」がお気に入り。
2015/05/11
ネムル
消えては現れる幻の部屋、吸血樹、生きている(?)絵画、ふとんをかぶったお化け、庭園迷路。古典怪談でもとりわけ古典的で地味といわれるようだが、現代ホラーの源流に帰るような体験だ。そして、地味ながらも皮膚に訴えるような怖さがある。
2020/09/25
Ribes triste
第1巻は「好古家の怪談集(正・続)」。耳袋のように作者が集めた怪異譚をまとめた本です。展開もテンポよく、歯切れのいい文章。面白くて読み終わりたくなかった。海外でも人気の大御所と聞いてはいましたが、1冊読んですっかりファンになってしまいました。
2017/12/12
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