ゴーメンガースト (創元推理文庫 534-2)
ゴーメンガースト (創元推理文庫 534-2) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
ゴーメンガースト城77代目伯爵のタイタスとスティアパイクの対決が主流かと思いきや、そんな事はなく。むしろ、不満ばかりで影が薄いタイタス自身に対し、個人的に魅力が感じられずに戸惑いました。スティアパイクの策略に潜んでいた陥穽とフレイさん、再登場にアッと言いながらも、フューシャ姫の思いがけない結末に呆然とせざるを得ない。しかし、ガートルード伯爵夫人様、遅すぎです!激動の変化によってかつての秩序を取り戻そうと必死な城内に対し、タイタスは出奔するが、果たして・・・。
2017/01/03
KAZOO
前回はお城が中心のような感じもしましたが、今回は登場人物も様々なキャラクターでもう少し動きが出てきたような気がします。あらすじだけは覚えていますが詳細はすっかり忘れていました。訳文は読みやすくさらっと読めてしまいます。然しこのような長い物語は(大聖堂なども同じですが)、どのようにして書くのでしょうかね。著者も書いていくうちに混乱はしないのでしょうか?
2014/07/17
uni
圧巻。このシリーズに出逢えた幸せを噛み締めてます。ダークファンタジーですが、この本を読んで逆に現実を突きつけられるというか、幻想はまやかしにすぎないとゆーか、つまり、幻想物語読んでるのにリアルを感じろと言われてるが如くのこの矛盾。人が死んでいく無常、誰もが狂気と紙一重で生きていることがよく分かる本。未完なのがホントに惜しい。これから先何年も読み続けていきたいと思った第2巻でした。登場人物全てが愛情こめて皆狂ってます。
2013/07/14
がんつん
一巻と違い、人物、背景が固まっているからか、単に慣れただけか、一気に読めた。というか、単純に面白い。一巻では寝てるか起きてるかも問題にならないレベルだった主人公がようやく自我をもって動き出し、物語は怒濤の展開を迎える。闇の中を跳梁跋扈する悪意、牢獄のごとく黴くさい伝統、そのすべてに抗う意思、それがタイタスグローンなのだ。それはともかくお気に入りの伯爵妃が格好よかったので、大いに満足です。三巻にガードルード様は出てきてくださるんだろうか。。
2015/05/21
rinakko
はうう、面白かった(と言いつつ息も絶え絶え)。一部で厳然たる姿を現した驚異の石の迷宮ゴーメンガーストを舞台に、いよよ77代伯爵タイタス少年の物語が始まった。のだが、相変わらず長いの長くないのって。でも訳文はとても素敵だし、随所に違う趣の見せ場(追跡の場面とか伯爵妃の采配とか、イルマの夜会とかw)があるので、その度に身を乗りだすように読み耽った。凸凹激しく濃ゆい面々にも入れ替わりがあり、物語内での時間の流れを感じる。石の掟が統べる城内にあろうと、起きてしまった変化に誰もなす術はない。怒涛の展開は流石の面白さ
2012/07/19
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