タイタス・アウェイクス (ゴーメンガースト4) (創元推理文庫)
タイタス・アウェイクス (ゴーメンガースト4) (創元推理文庫) / 感想・レビュー
ノコギリマン
ついに読み終わってしまった。これでゴーメンガーストワールドともオサラバかー、哀しい。なのに、物語自体は終わっていない。そもそもタイタスが「物語」から逃避するための物語になっている。タイタスは流浪の果てで、何かにたどり着けるのだろうか? 堪能しました。大大大オススメ!!!!!
2015/07/11
KAZOO
むかしゴーメンガースト三部作を読んで、えらく長い小説で読めるかなあと感じたけれどいつの間にか読んでしまったことを思い出しました。今回はその後書いた本人の奥さんが主人公のタイタスのその後をご主人の草稿をもとにして書かれたものだという事です。ほかの本に比べて短いのですが、主人公が犬と一緒に彷徨を続けていきます。訳者も前回とは異なっていますが読みやすさは変わりません。
2014/06/27
星落秋風五丈原
タイタスは他人と普通に接することができない。身分も財産も全て捨ててまっさらの状態になった悩める主人公、妊娠させた女性を途中で捨てたりしているのに女性によくモテる。「きみのところにしばらくやっかいになりたいと思うけれど、ぼくの性質からして、そのうちまた出ていく。きみにはわがままだと思われるだろうけれど、出てゆくときには、きっときみのことも傷つける。」あんたジゴロか。ここまで女性が優しいのは本作から女性作家になったことと関係があるのか、もともと彷徨の物語である本作で、女性に癒しのイメージを託したのか。
2014/07/18
uni
まさかのゴーメンガースト三部作の続編が出るということで発売前から落ち着かない日々でした。更に既刊三巻も浅野さんの装画で新装されたので、迷わず購入。作者ピークの構想を元に夫人が書き綴ったこの最終巻。書いてる人間も翻訳者も違うので世界観を突き詰める様な読み方は初めからするつもりはありませんでした。一つの作品としてとても精神的で素晴らしい作品です。タイタスがその人生を削ぎ落としすり減らしてまで逃げているものの正体は不明瞭ですが、何故か共感できてしまう。切り捨て振り切る側の人間の放浪の書。
2014/06/24
スターライト
ピークが遺した遺構やメモを元に、ピーク没後に妻のギルモアが書きついだ「第四部」。しかし三部作ほどの活劇や人間模様が展開されるわけではなく、いくつかの出会いをタイタスは経験するもののそれまでの繰り返しの感は否めない。画家を登場人物にしたのは、自らが画家だったので書きやすかったのか。船に乗って到着したところは故郷であることがほのめかされ、まさに「すべての道はゴーメンガーストに通ず」の展開。欲を言えば、帰郷後のタイタスの冒険(伯爵=為政者としての物語)も読んでみたかった。
2019/08/17
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